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中国アリババグループ、国際物流混乱への対策発表

2022年6月20日 (月)

EC中国のEC(電子商取引)大手、アリババグループの物流企業「菜鳥(ツァイニャオ)」は17日、新型コロナウイルス感染症の拡大による中国・上海地区を始めとする物流の混乱について、自社の対策を発表した。上海市のロックダウン(都市封鎖)解除後も物流の停滞が続いているため、顧客企業などの不安を少しでも抑える狙いと見られる。

それによると、海外から中国への商品輸入の面では、まず船が上海港に入れない場合は青島港や寧波港経由の代替ルートを使う予定。航空輸送でも、上海や北京の各空港に替えて広州、深セン、南京、武漢といった各都市への代替空路も使う予定という。税関への申告手続きは、同社が得意とするデジタル方式で迅速化し、税関当局とも調整を進め、各輸入品の手続きが1-2日以内に完了することを約束する、としている。

次に、輸入品の通関後、中国国内での陸上輸送が困難な場合は海上や河川を使って水上代替輸送を行う。国内各地に自社または提携企業が保有する倉庫に商品在庫を配置し、今後、急な感染拡大による一部都市封鎖が起きた場合への対応力を高めるという。

(出所:アリババグループ)

中国から海外への輸出面では、米国向けの海上・航空輸送のキャパシティーを中国の輸出業者に優先的に割り振るとした。中小輸出業者が、上海の南にある浙江省義烏(ぎう)市に同社が持つ大規模倉庫に商品を移設する際にも各種の支援を行っている。

アリババグループは、菜鳥を通じて、安定的かつ円滑なサプライチェーンの確保と秩序ある貿易の支援を目指す、としている。