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ボルボ・トラック、燃料電池トラックの試験開始

2022年6月21日 (火)

▲水素燃料の新型ゼロエミッショントラック(出所:Volvo Trucks)

国際Volvo Trucks(ボルボ・トラック、スウェーデン)は20日、燃料電池(FC)で走る新型のゼロエミッショントラックの走行試験を始めたと発表した。水素を燃料とし、水蒸気しか排出しない。バッテリー式の電気トラックよりも長距離走行に適し、パワーもある。同社は10年以内の実用化を目指している。

発表によると、この燃料電池トラックには燃料電池が2つあり、300キロワットの発電能力を備える。航続距離は最大1000キロとディーゼルトラック並み。燃料補給は15分以内で可能という。総重量は65トン以上。

計画では、数年後にユーザー企業も参加して試験運用を始め、今後6〜10年での商用化を目指す。燃料電池は、ボルボグループと独ダイムラートラックの合弁会社の独セルセントリック製を使う。セルセントリックは、大型車用燃料電池の生産工場の建設を予定している。

ボルボ・トラックは現在、バッテリー式の電気トラックと、バイオガスなどの再生可能燃料で走行するトラックを販売している。燃料電池トラックはそれらに続く脱炭素車種の3番目となる。水素の確保と燃料供給インフラの整備が大きな課題であり、同社は3車種の組み合わせでトラックからのCO2完全排除を実現したい考えだ。