
▲(左から)発酵デザインラボ小倉ヒラク社長とCAPES西尾浩紀社長(出所:CAPES)
EC物流コンサルティングなどを手掛けるCAPES(東京都千代田区)は28日、発酵にまつわる多彩な商品を販売する発酵デザインラボ(同世田谷区)と資本業務提携を締結したと発表した。発表によると、出資金額は明らかにしていない。
発酵デザインラボは発酵デパートメントを運営し、小売、EC(電子商取引)事業を展開。両社はこれまでも在庫管理の見直しや発注の仕組み化に取り組んできた。さらに協業を加速させるとともに、EC拡大に向けたサプライチェーンの整備や物流体制の基盤構築に取り組む。
ECビジネスのあるべき将来像、それは「ロジスティクスとの合従連衡」だ
消費スタイルが店頭から宅配へと急速にシフトしているなかで、ECへの参入に商機を見い出す動きが加速している。そこに立ちはだかる壁が、在庫管理や発注などロジスティクスに係る業務だ。
インターネットで受けた注文に対する商品の迅速な発送、それを支える在庫の的確な調整、さらに商品の発注を遅滞なく無駄なく進めなければならない。せっかく意気軒昂たる姿勢でECビジネスに参入しても、商品の扱いでつまずくケースも少なくない。
ECビジネスをスムーズに進めるために欠かせないのが、こうしたロジスティクスだ。その問題を解決に導く事例が、今回の発酵デザインラボとCAPESの提携だろう。商品開発とそのロジスティクスについて、それぞれ切り分けて得意な事業者が担う。いわば「餅は餅屋」の考え方だ。
裏を返せば、こうしたロジスティクスの要素は、ECビジネスにおける商品の供給網、つまりサプライチェーンを円滑化するために欠かせない要諦であることが分かる。ECという仕事は、ロジスティクスが店舗の代わりをしているとの見方も可能だ。商品を発送してから消費者の手元に届くまでの過程が変化したこと、これが消費スタイルの多様化なのだ。
その意味では、商品流通におけるロジスティクスの果たす役目も変わっている。商品在庫の調整や輸送モードやルート選択における発想の転換、それはロジスティクスそのものの位置付けにも当てはまる。ECの本質は、ロジスティクスの最適化とまったくイコールであり、互いに矛盾しない概念なのだ。
今後さらに広がるであろうECビジネスへの参入にあたっては、こうしたロジスティクスの事業者との合従連衡で取り組む姿が当たり前の風景になる。それがECの将来像でもある。(編集部・清水直樹)
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com