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バイセル、習志野にリユース買い取り品の保管倉庫

2022年12月22日 (木)

拠点・施設総合リユースサービスを展開するBuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ)は22日、国内2拠点目の物流倉庫「習志野ロジスティクスセンター」(習志野ロジ、千葉県習志野市)を2023年6月に開設すると発表した。物流倉庫の総面積は1万8843平方メートルで、従来と比べて73%拡張することで増大する買い取り品の保管に対応する。

発表によると、リユースの市場規模は25年に3.5兆円と推計され、同社が提供する主張買い取りサービスも拡大。21年には査定の問い合わせ件数が35万件、出張査定件数は21万件といずれも過去最高となった。

同社は20年6月以降、同船橋市の船橋ロジスティクスセンター(船橋ロジ)で買い取り後の全商品を管理してきた。骨董品やレコードなどの新規商材の取り扱いも強化している影響で物量が膨らんでおり、船橋ロジの増床を繰り返してきた。

東京建物が、ことし1月に建設した「T-LOGI習志野」に入居し、主に着物や骨董品の商材管理と配送を行う。

▲習志野ロジスティクスセンター(出所:BuySell Technologies)

持続可能な社会の実現を促すリユースビジネス、欠かせない物流基盤

持続可能な社会の実現に向けた機運が高まるなかで、成長領域として期待されるのが「リユース」関連ビジネスだ。資源の有効活用や環境負荷低減、さらには自分が使ったモノを大切に引き継ぐ意識の醸成にもつながる取り組みとして、さまざまな見地から注目を集めている。

こうしたリユースにビジネス機会を見いだしているのは、物流業界も同じだ。リユースの対象となる品物を買い取り新しい使用者に引き渡す過程で、輸送や保管、仕分けといった物流業務が発生する。今までは使用後に廃棄されていたはずの品物に新たな「販路」が生まれるからだ。

総合リユースサービス「バイセル」の運営会社は、こうしたリユースビジネスのさらなる基盤強化策として、物流倉庫機能に着目した。既存の倉庫を増床したものの、それでは将来的な事業拡大に対応できないと判断。新規物件の新たな展開に踏み切った。「点」の強化だけでなく「面」の拡張にも取り組むことで、持続的なリユースビジネスの成長を見据えている。

(イメージ)

リユースに参入する事業者は、今後増えてくる可能性が高い。リユースというビジネスの性格から考えても、倉庫における保管や仕分け業務の効率化・最適化は欠かせない取り組みだ。リユースならではの商品チェック機能も必要だろう。とはいえ、こうした業務に従事できる人材の確保にも限界がある。ロボットをはじめとする先進機器・システムの導入を想定した初期投資を進めるタイミングを見定めることになるだろう。

社会的意義があるリユースビジネスであるが、物流がしっかりと機能することを前提としていることを忘れてはいけない。むしろ「物流という仕事は、リユースのような持続可能な社会の創出になくてはならないものである」と読み替えるべきなのだろう。そう考えると、物流の現場で働くことは非常に意義深いことであると実感できるのではないか。物流に価値を見いだす事業者にとっても、しかりだ。(編集部・清水直樹)

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