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22年度国内貨物の総輸送量は0.2%減、NX総研

2023年1月11日 (水)

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調査・データNX総合研究所が11日発表した「2022年度・23年度の経済と貨物輸送の見通し」によると、22年度の国内貨物輸送の総輸送量は前年度から0.2%減少し、20年度以来2年ぶりに前年実績を下回る。消費関連が持ち直し、生活関連も盛り上がったものの建設関連が下押し要因となった。23年度も新型コロナウイルス禍前(19年度)の水準には届かず、前年比0.5%減となり2年連続で前年比マイナスとなる見通し。

発表によると、輸送量の下振れした背景にあるのは、世界経済の減速に伴う日本国内からの輸出や設備投資が減退するリスク。分析の前提として日本経済について、新型コロナによる景気の下押し圧力は徐々に弱まる一方、物価高に伴う個人消費の伸び悩みや生活困窮者の増加といった懸念などを踏まえた。

22年度は上期で、生活関連が小幅な伸びを示した一方、消費関連、建設関連が減少して0.3%減。下期は消費関連が持ち直したほか生活関連も盛り上がったが、建設関連が下押しした結果、前年度並みで着地した。

23年度は通期で、消費関連が引き続き小幅ながら0.3%増とプラスを見込むほか、設備関連も2.0%増と伸長が期待される。それとは対照的に、建設関連は先行き不透明な経済環境下で大規模な土木工事の執行が期待できない上に、新設住宅着工戸数も減少するため2.8%減を予測する。

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鉄道では、JRコンテナの22年度実績が1.2%減。自動車生産の回復を追い風に自動車部品が上向いたが、上期に農産品や青果物などが輸送量を大幅に下押ししたのが響いた。23年度は0.8%増と4年ぶりのプラス転換を予測。積合せ貨物や自動車部品が堅調に推移し、22年度の反動もあって微増ながら上昇に転じるためとしている。

内航海運は22年度実績が0.1%増。23年度は石油製品や鉄鋼が伸び悩むものの、0.8%増と3年連続の前年比プラスを維持するとした。国内航空は22年度実績が12.9%増、23年度は5.0%増の3年連続でプラス実績を見込んだ。