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日野自プロフィアに型式指定、2月中旬に出荷再開

2023年1月31日 (火)

▲日野プロフィア(出所:日野自動車)

荷主日野自動車は1月31日、エンジン認証不正問題で型式指定の取り消し処分になっている「A09Cエンジン」を搭載した大型トラック「プロフィア」について、同日付で国土交通省から型式指定を受けたと発表した。2月中旬からプロフィアの出荷を再開する予定。昨年11月に同省へ型式指定の再申請をしていた。

同社は「二度と不正を起こさず、社会への責任を果たしていく」などとコメントしている。同エンジン搭載の大型観光バス「セレガ」について、型式指定を再申請したことも明らかにした。

日野プロフィア出荷再開、決して社会の信頼を取り戻したわけではない

日野自動車の「A09Cエンジン」を搭載する大型トラック「日野プロフィア」の出荷が2月中旬にも再開されることになった。一連のエンジン認証不正問題を受けて型式指定の取り消し処分を受けていた機種・車種について、国土交通省による型式指定を受けて出荷を再開する動きが広がる可能性がある。

こうした動きの背景には、日野自動車の不正問題に対する真摯(しんし)な姿勢に一定の評価をしたこともあるだろうが、社会に不可欠な物流機能の持続的な確保・強化を図る観点から日野自動車の出荷再開を促す思惑もあるように感じる。

日野自動車が初めて不正問題を公表したのは2022年3月だ。物流業界では市場に流通する大型トラックの台数が絞られることにより、中古車を含めた車両価格の高騰などの懸念が広がった。高速道路で日野自動車のエンブレムを掲げた大型トラックを見ない日はないことからも分かるように、業界におけるインパクトは決して小さくないからだ。

今回の不正問題を受けて、日野自動車の信頼が大きく揺らいだのは言うまでもない。今回の出荷再開は、あくまでも社会の信頼を取り戻した結果ではない。それを日野自動車はしっかりと心に染み付けて忘れないようにしておくべきであり、培ってきた技術力を喪失することがあってはならない。日野自動車だけでなく、物流業界における損失になるおそれも秘めているからだ。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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