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国交省、データ不正で日野自など3社を行政処分

2022年3月29日 (火)

(イメージ)

行政・団体国土交通省は29日、日野自動車とトヨタ自動車、いすゞ自動車の3社に対して、道路運送車両法に基づき、排出ガスや燃費にかかわる不正なデータ取得にかかる商用車エンジンの型式指定を取り消す行政処分を行ったと発表した。

日野自動車によるエンジン型式指定の取得をめぐるデータ不正は、当局の行政処分の発出で大きな節目を迎えた。さらなる不正の有無にかかる調査を含めた全容解明の動きとともに、今後の日野自動車による車両供給の落ち込みに伴う物流業界への影響も懸念される。

日野自動車は3月4日、国内市場向けトラック・バス用エンジンの排出ガスと燃費に関する認証申請における不正行為を確認したと発表。中型・大型エンジン計3機種について、エンジン性能を偽る不正行為があったことを確認したほか、エンジン性能自体に問題があることも明らかにした。

国交省は3月4日の日野自動車からの報告を受けて、7日に同社本社の立ち入り調査を実施。日野自動車は25日、国土交通省から通告を受けたエンジンの型式指定取り消しの行政処分について、「意見はない」とする陳述書を国交省に提出していた。

国交省は、日野自動車の中型エンジン「A05C」の一酸化炭素等発散防止装置における型式指定取り消しについて、「排出ガス性能に係る長距離耐久試験の途中で部品(触媒)を交換し、排出ガス性能が基準を満たしているという技術的根拠がないにもかかわらず、満たしているとの評価を得て不正に型式指定を取得した」と指摘。不正に型式指定を取得した一酸化炭素等発散防止装置を搭載し、不正に型式を取得したとして、共通構造部における型式指定と燃費評価も取り消した。

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さらに、大型エンジン「A09C」「E13C」を搭載した共通構造における型式指定と燃費評価の取り消しについては、「燃費測定試験において、不適切な方法(燃料流量計の不正操作)でデータ取得を行っており、燃費性能が基準を満たしているという技術的根拠がないにもかかわらず、満たしているとの評価を得て、不正に型式指定を取得した」としている。

トヨタ自動車の小型エンジン「N04C」を搭載した自動車における型式指定と燃費評価、いすゞ自動車の大型エンジン「A09C」「E13C」を搭載した共通構造部における型式指定と燃費評価の取り消しについては、「エンジンの提供元である日野自動車が不適切な方法で燃費性能が基準を満たしているという技術的根拠が無いにも関わらず、満たしているとの燃費測定試験の結果を用いて、不正に型式指定を取得した」と指摘した。

日野自動車は、中型エンジン「A05C」と大型エンジン「A09C」「E13C」の3機種のエンジンとその搭載車両の出荷停止を既に決定。出荷停止の対象となる車両は国内販売台数の35%に達するとの見通しを示している。