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関通、国内外結ぶ一貫輸送提供へAITと業務提携

2023年3月3日 (金)

ロジスティクス関通(兵庫県尼崎市)は3日、国際輸送事業を展開するエーアイテイー(AIT、大阪市中央区)と業務提携すると発表した。海外と国内間をつなぐ一貫した物流サービスの共同提案や案件創出のため手を組み、互いの顧客ニーズに対応。相乗効果により互いに事業拡大を図る。

発表によると、AITは海上輸送を得意とするフォワーダー。輸入において年間27万TEUを取り扱い、中国をメインとする。海上から保税倉庫に至る国際物流、関通は物流倉庫から宅配まで国内物流を主戦場としている。年間1200万個の出荷実績と関西・関東に21拠点を持ち、物流システムの販売なども行っている。

今回の提携により、関通はAITが培ってきた海上輸送の圧倒的な規模のメリットやフォワーディングに関する知見を活用。国内物流で請け負っている顧客向けに、輸出入から国内物流までの一気通貫したサービスを提案できるようになる。

一方、AIT側は関通のEC宅配(電子商取引)を中心とした物流センター運営の機能やノウハウを活用し、フォワーディング業務を提供する顧客向けに国内物流の新たな提案が可能になる。

▲業務提携のイメージ(出所:関通)

新型コロナウイルス感染症拡大などにより、国際物流は不安定化しており、日本国内の企業にとっては販売機会の損失や、利益の圧迫を招く状況が続いている。そのような状況の下、国内物流との一貫した連携や効率化が大きな焦点となる。一方、日本国内から海外市場に向けた商品の販売ニーズは高まっており、国際物流に関するニーズが近年高まりを見せているという。

異なる領域で強みを持つ事業者間の連携こそが、変化し続ける社会ニーズへの的確な対応力を生み出す

EC(電子商取引)市場の拡大をはじめとする消費スタイルのさまざまな変化に対応して、輸送サービスの多様化が進んでいる。裏を返せば、輸送という機能が国民生活を支える重要な役割を担っていることの証左でもあるわけだ。とはいえ、近年はこうした輸送機能に対する社会の要請レベルが高まり、事業者の技術革新やサービス拡充だけでは対処しきれない場面も少なくないようだ。

その代表例が、国際物流だ。国内外の事業者が相互に商品をやり取りする場合に、海上輸送や保税倉庫といった国際物流機能と、倉庫から店舗または個人への輸配送を担う国内物流機能の最適な連携が欠かせない。しかし、これらの機能を同じ事業者が適切に対応するのは、必ずしも効率的ではない。

なぜなら、国際物流と国内物流は輸送モードや商習慣、法的な手続きなどあらゆる観点で事情の異なるビジネスであるからだ。それならば、各機能を得意とする事業者同士で連携すれば、それぞれの強みが発揮されて全体として一気通貫のサービスを実現することができるのではないか。

(イメージ)

関通とAITの業務提携は、こうした発想から生まれたものだ。海上輸送やフォワーディングのノウハウで強みを持つAITと、倉庫運営をはじめとする国内物流に対する豊富な知見で定評のある関通の機能を連結することで、海外から国内への最適な輸送ビジネスが整う。まさに「餅は餅屋」ということだ。

複数の企業が相互の強みを発揮しながら連携を強めることで、新たな市場環境に対応していく。これが時代の変革に呼応した物流サービスの持続的な提供を実現していく鍵となる。社会に不可欠なインフラである物流だからこそ、こうした柔軟なビジネスの形を生み出す機動力が求められるのだ。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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