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ミスミ、米金型部品メーカーを買収、短納期生産の展開加速

2012年10月17日 (水)

M&Aミスミグループ本社は17日、米国金型部品メーカーのデイトン・プログレス・コーポレーション(デイトン社)の全株式、ジ・アンカー・ダンリー・カンパニー(AD社)のコンポーネンツ事業の経営権を、合わせて2億ドル(156億円)で取得すると発表した。

両社の株式を保有するプライベート・エクイティ・ファンド「コンネル・リミテッド・パートナーシップ・オブ・ボストン」と買収契約を締結した。

両社は欧米市場で金型部品製造のリーディングメーカーで、部品標準化と半製品を活用した生産方式により、ミスミとの親和性の高い短納期生産を実践、高い技術力と顧客サービス体制で、欧米に強力な顧客基盤を持っている。

ミスミは、日本で確立した「短納期一個流し」のQCTモデルを海外に展開するため、2004年には駿河精機を買収し、メーカー機能を持つことで国際展開を加速。この結果、過去10年間で海外売上高は8倍に拡大し、海外売上高比率は8.6%から27.5%へと伸張した。

今回の買収は、ミスミQCTモデルの世界展開を加速するのが狙いで、既に構築してきた日本と中国・アジアを中心とする短納期供給体制に加え、欧米で短納期生産を実現するデイトン社とAD社のコンポーネンツ事業を買収することで、グローバル短納期供給体制を一気に確立し、国際事業展開を加速させる。

デイトン社とAD社のコンポーネンツ事業は、金型部品メーカーとして北米自動車ビッグ3や欧州自動車メーカーなどの強力な顧客基盤を持っており、この基盤に対して金型事業だけでなく、自動化(FA)事業を合わせたミスミブランドを浸透させることで、販売拡大を狙っていく。

また、金型部品事業で日本を含めたアジアで大きな市場シェアを持つミスミグループが、欧米で既に高い市場シェアを持つデイトン社とAD社のコンポーネンツ事業を買収することにより、金型部品で「グローバル・トップワン・サプライヤー」のポジションを強固にする。

取扱商品の規格で補完関係にある商品を双方のチャネルで販売する効果や、材料調達や生産量のスケールメリットによるコスト競争力強化などの面で、シナジー効果を発揮することも検討する。