
新たな補充拠点となる新物流施設の完成イメージ(出所:味の素)
フード味の素は17日、物流子会社の味の素物流(東京都中央区)が、配送拠点の在庫の補充を行う拠点として、埼玉県久喜市に新物流センターを開設すると発表した。
東日本大震災の教訓を踏まえ、物流体制の見直しに着手、得意先への供給不能リスクの軽減を図る狙い。2014年4月から稼動を開始し、東西2か所の補充拠点体制の構築を図り、分散化・複線化による物流体制の強化を目指す。
味の素では、東日本大震災で補充拠点の川崎物流センター(川崎市)が被災し、全国の配送拠点への補充機能が停止、安定供給が滞った。
この教訓を踏まえ、在庫の分散化を図ることにしたもの。具体的には、新物流センターを東日本の補充拠点とし、兵庫県西宮市にある配送拠点に補充機能を持たせることで、西日本の補充拠点とする。
これにより、東西2か所の補充拠点体制を構築するとともに、一方の補充拠点・配送拠点が被災しても他方で代替できる「物流ネットワークの複線化」も目指す。

「物流ネットワークの複線化」イメージ(出所:味の素)
埼玉県久喜市に設置する新物流拠点(補充拠点)は、こうした施策の重要な核となるもので、今後、現在の配送拠点の見直しも併せて行い、有事の多様な輸送体制も検討する。
施設は賃借利用とし、同社グループの物流センターとしては、初の免震構造を備える。
■味の素物流新東日本物流センター(仮称)の概要
所在地:埼玉県久喜市北中曽根(清久工業団地周辺土地区画整理事業内4街区2画地)
構造:地上3階
建屋面積:3万3170平方メートル
稼働予定:2014年4月