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精密機器搬送業務、最後は伝票の手渡し/ドライバー日誌第34回

2023年9月26日 (火)

話題軽バンの荷台から、2台の精密機器を運び出す。物流センターの搬入口へ、衝撃を与えないようにゆっくりと慎重に2人で抱えていく。そっと箱を自動式の昇降台の上に置くと、額から汗が滴ってきた。荷物の重さもさることながら、衝撃を与えないよう、神経を研ぎ澄ませていたからだろうか。

(イメージ)

とにかく、2台の精密機器は昇降台でセンター内に無事、搬送された。だが、ここで私たち2人のドライバーの仕事は終了ではない。大阪国際(伊丹)空港で受け取った、物流センター担当者向けの伝票をしっかりと渡さなければならない。

伝票は、決済ルートだけでなく荷物の動きを証明する機能も持っている。荷物が送り主から中継拠点を経て、最終の届け先に伝わるまでの道筋を「見える化」するものだ。こうした伝票の不適切な取り扱いがあれば、それだけで荷物の輸送にも支障が発生して、最悪の場合は最終の送付先に届かない事態にもなる。

伝票の手渡しも完了。いよいよ出発だ。いつまでもセンターにとどまっているわけにもいかない。次の荷物の搬入を待つトラックが待機しているからだ。輪止めを外して守衛室で入構証を返却すると、荷主であるメーカーの日本法人に、機器2台の物流センターへの搬入完了を報告。それでようやく業務が完了する。

2人のコンビで輸送業務に携わる場合は、業務終了後に必ずしも同じ場所へ戻るとは限らない。それぞれ個別のスケジュールを抱えている場合がほとんどだからだ。この日は、コンビを組んだベテランドライバーは大阪国際(伊丹)空港で私の軽バンから降りて、午後に入っている別の案件先へ向かった。私も別の宅配業務を予定していたため、そのまま別の物流センターへ荷物を受け取りに出向いた。そんな日常の連続が、軽貨物ドライバーの生きざまなのだ。(つづく)

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