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新物流拠点「ZOZOBASEつくば3」、自動化設備公開

2023年10月26日 (木)

▲物流拠点「ZOZOBASEつくば3」が入居する「プロロジスパークつくば3」(出所:ZOZO)

ECZOZOは25日、新物流拠点「ZOZOBASEつくば3」(ゾゾベースつくば3、茨城県つくば市)を公開した。同エリアではすでに「つくば1」「つくば2」が稼働しており、同市では3拠点目となる。プロロジスの「プロロジスパークつくば3」を全棟利用しており、2月の完成以来、設備設置、システムの構築などが進められ部分的に運用されていたが、11月から本格稼働となる。つくば3はZOZO最大の規模を誇る延床面積13万7000平方メートルの施設で、同社としても拠点への投資としては最高額となる100億円の投資を行っている。これによりゾゾベース全体の在庫保管量は、従来の1.3倍となる。

▲ソートロボットシステム「t-Sort」を活用した検品仕分け作業の様子

新施設の稼働にあたっては、つくば市居住者を中心に500人ほどのスタッフ雇用を進めている一方で、出荷機能を持つ同社施設と比較して30%の省人化が可能な自動システムを導入している。自動化が進められたのは入荷時の検品仕分け、ピッキングした商品の仕分け・発送・梱包のプロセス。入荷時はこれまでシールの印字情報を目視・手作業で仕分けを行っていたが、機械による読み取りやソートロボットシステム「t-Sort」の導入によって省力化されている。

▲自動倉庫システム「シャトル&サーバ」

ピッキングされた商品は高速の自動倉庫システム「シャトル&サーバ」で一時保管されると同時に、発送が早いものなど優先順位によって商品を配置し、仕分けプロセスへと一定量ずつ供給していく。

▲高速仕分けシステム「POCKET SORTER」

仕分けでは、「POCKET SORTER」(ポケットソーター)で商品を1点ずつ仕分け。2万6000あるポケットに入った商品をハンガーで吊るし、施設の天井近くに配置されたレールをつたって流したあと、発送先ごとに荷物をまとめ、梱包プロセスへと送り出す。

▲ハンガーに吊り下がったポケット

ポケットソーターでは1時間で1万5000点の注文を送り先ごとに自動で仕分けることができる。欧州のアパレルEC(電子商取引)大手ザランドなどで導入されている設備だが、日本での導入はつくば3が初めてとなる。

梱包プロセスでは適切な資材に商品を納め、自動的に封かん、発送帳票貼り付けが行われ、同施設内にあるヤマト運輸のバースへ送り出され、発送されていく。各プロセスでは自動化が進んでいるため、荷物をスタッフが持ち上げたり、倉庫の中を長い距離移動したりといったことも少なくなっており、スタッフの働きやすさにもつながっている。

▲自動封かんシステム

つくば3では居心地の良い休憩室を用意するなど、スタッフへのソフト面での心配りも施している。ZOZOの新拠点では2024年問題や、それ以降も続く労働力の確保に向け、働きやすさへの配慮がそこここにうかがえる設計となっている。つくば市という立地の選定には、同市の人口が増え続けていることから、労働者が確保しやすいという側面がある。また、ZOZOではつくば市以外に千葉県習志野市に2拠点を置いているが、つくば3がある茨城県は千葉に比べて最低賃金が低く、同社が設定する報酬で労働力を集めやすいなどの優位性があるとしている。

▲休憩室

現在ZOZOでは商品注文時にユーザーが選ぶ受け取り方法の初期設定を「置き配」にするなど、現在は70%が置き配を利用。また、つくば3では、施設の屋根に設置されたメガソーラーやバイオマス由来など、必要とする電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力で賄う仕組みとなっている。

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