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新たな挑戦の始まり/ドライバー日誌エピローグ

2023年12月25日 (月)

話題LOGISTICS TODAY「ドライバー日誌」は、軽貨物ドライバーとして独立した筆者が、そのスタート時点での経験や心境をしたためたものだ。連載はここでまずは終了とするが、自身の軽貨物ドライバーとしての仕事は当然ながら、続いていくことになる。

(イメージ)

軽貨物ドライバーの世界に身を置くことで実感したのは、ラストワンマイルの現場で起きている厳しい現実だ。まずは慢性的な人手不足だ。これだけ新規参入の話題が尽きない軽貨物ラストワンマイルの領域だが、現場に余裕は全くない。

毎週6日のシフトで配送業に携わってきたドライバーがある日突然、姿を消した。そうすれば、当然ながら現場業務は繁忙になる。もともと潤沢な人手が確保されているわけではない上に、新規求人も難航するものだからだ。

新規参入など、現実にはそんなに起きてはいないのだ。むしろ、新人ドライバーによる事故や誤配、遅配といったトラブルが頻発している。商品の破損も日常茶飯事で、輸送品質を求める荷主の意向に合わせてどんどんルールが厳格化されていく。こうして業務量が急増し、指定時間よりも早く配送して時間を確保せざるを得ないドライバーも出てくる。この悪循環が、ラストワンマイルの現実なのだ。

(イメージ)

一方で、現場に入り込むことで、業界全体を俯瞰する視野を狭めてしまうとも感じている。足元の具体的な業務が存在する以上は、それをこなしていくことが日々の仕事なのであり、そこから物流業界の問題点を抽出する作業は、こうした目的を明確に抱いて仕事に当たらない限りは、極めて難しい取り組みであると言えるだろう。こうした観点から、ドライバーズライターと言う仕事の意義を考えるのは、非常に有意義な活動である。

ドライバーとライター。立場の違いを包摂したこの仕事で、どこまで物流と言う世界の日本質に迫ることができるか。これからの新たな挑戦が始まる。(おわり)

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