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近鉄エクスプレス、世の不規則な変化読み取って

2024年1月5日 (金)

話題近鉄エクスプレスの鳥居伸年社長による年頭所感の要約は以下の通り。

(以下要約)

令和6年1月1日、石川県能登半島を震源とした地震により甚大な被害が発生いたしました。この災害によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。被災地の皆様のご無事と一日も早い復旧と復興をお祈り申し上げます。

昨年を振り返りますと、コロナ禍の収束に伴い、世界経済、人々の営み、そして生産活動が再開しましたが、米国による中国への経済制裁、中国経済の失速、ジャストインタイムからジャストインケースへの転換による在庫の積み増し、海上輸送の正常化、想定以上の半導体市場低迷の長期化などの影響を受けて、航空貨物需要を押し上げる要因がことごとく弱く、世界的に航空貨物市場は低迷した一年でした。

一方、予測不能な変化や大惨事に我々が直面することは幸いにも起きず、軍事的緊張の続くロシア・ウクライナ問題も膠着状態のまま一年が過ぎました。しかしながら、パレスチナ・イスラエルの衝突が起き、世界中を巻き込む大きな紛争に発展するリスクをはらんでおり、世界情勢は不安定な状況であることに変わりありません。

このようななか、世界各国の各法人においては、従来備えている静安定性により適宜対応していますが、さまざまな課題が浮き彫りになってきていると思います。これは、今、突然発生した問題ではなく、これまでに表面化していなかっただけで、昨年のような環境下、ある面、風向きが変わる際に生じる無風状態の時にこそ、現れるものです。今回を良い機会としてとらえ、改善に取り組むべきと考えています。

我々を取り巻く事業環境について、政治的、地政学的な不測の要因を除けば、航空貨物需要は、2024年には若干回復すると見ています。

また、コロナ禍を経て、リスク管理の観点から、脱中国、ジャストインタイムからジャストインケースへの転換、地産地消(ニアショアリング)などのサプライチェーン見直しの流れが出てきています。ただし、生産移管、調達・販売先の変更にあたっては、実際にはクリアすべき多くの課題があります。そのため、政治的、地政学的な不測の事変が起こらない限り、せきを切ったように変化をする事はなく、顧客各社の実態に合わせ、独自の考えでさまざまな方向にシフトをしていくと推測します。

この状況下において我々の取るべき行動は、各現場においてアンテナを高く掲げ、感度を上げて顧客の動きとニーズの情報を収集し、グループ内で適時共有をする、そして、顧客のニーズに対応するための青写真を作り上げ、具現へのプロセスを提案し、グループ一丸となって遂行することです。変化に柔軟に、迅速に対応するために、世の中の事象から学び、不規則に変化する風を読み取る感性を研ぎ澄ますことを意識していただきたいと思います。一旦大きく振れた振り子が、正常に戻る過程の中で大きく逆に触れることは想定していましたが、振れが収まるまでに予想以上に時間がかかっています。

また、最近はパナマ運河の渇水の問題、スエズ運河の治安の問題、そして、中国発のECの急速な増加に端を発した日本発を含むアジア発北米向けの航空貨物スペース問題など、24年は23年と同様に、特に前半は市場環境、業績面で厳しい年になると予想されますが、当社グループ組織の機能強化の対応については、着実に行っていきたいと思います。

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LOGISTICS TODAY編集部
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