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山善が物流拠点DX、全事業部横断運用で効率化

2024年1月11日 (木)

▲「ロジス足利」(出所:山善)

荷主山善は10日、2023年9月から家庭機器事業部の物流拠点「ロジス足利」(栃木県足利市)で試験導入していた統合物流管理システム(LMS)と倉庫管理システム(WMS)の試験期間が終了し、今後は本格運用を開始すると発表した。

これにより、複数の事業部の商品の在庫管理や輸配送を効率的に行えるようになり、家庭機器事業部が個別運用していた同拠点を、全事業部横断で共同運用する。同じ北関東にある同事業部の物流拠点「ロジス関東」(群馬県伊勢崎市)から得意先への一部配送もロジス足利が担う。

ロジス足利では適切な出荷計画の策定と最適な運送便のルート決定が可能となり、輸配送費用を1立方mあたり14%削減。さらに、LMSによる最適な梱包計算により、1立方m当たりの梱包個数は前年同月比26%減少し、梱包作業と段ボールの使用量を削減するとともに、より多くの荷主の荷物を混載できるようになることで、積載効率の向上が期待される。

同社は3年以内に全国の物流拠点にLMSとWMSを導入する予定。全事業部の輸配送で短距離配送を実現し、グリーン物流やドライバー拘束時間の短縮を推進するなど、物流の24年問題への対応を進めていく。

社内物流効率化から、さらにその先の攻めの最適化へ

物流の効率化へ、大手専門商社の山善は輸配送効率化システムを、家電や住建などの消費財や機械・産業関連事業の生産財まで各事業所の共通管理システムとして活用し、物流資産の有効活用による生産性向上に取り組む。

全事業部横断による物流資材の削減や混載による積載率の向上など、企業内での直接的な成果が期待できるとともに、これから重要性を増していくグリーン物流においても管理システムとしてさらなる精度向上につながっていくのではないだろうか。もちろん、同社の目標はさらにその先の展開であり、倉庫業・貨物利用運送業としてメーカーや販売店からの輸配送業務委託、さらには特定業界の共同輸配送業務を束ねる事業スキームとして確立し、先導していくことを目指していくのだろう。

効率化では「コスト削減」ばかりが目的とされがちだが、環境問題や新しい事業領域へアジャイルで攻めこむチャンスとして取り組む一例とも言えるのではないだろうか。

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LOGISTICS TODAY編集部
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