ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

セイノーHDと福通が提携合意、共同配送展開

2013年3月12日 (火)

話題セイノーホールディングスと福山通運は12日、戦略的物流システムを対象とした業務提携に基本合意した、と発表した。セイノーグループは2万3806台、福通は1万6601台の車両を保有しており、両社の合計車両数は4万台を超える。

エコデリバリーのイメージ

エコデリバリーのイメージ

災害発生時の相互協力と共同配送商品「エコデリバリー」の展開を柱としたもので、資本提携やほかの分野への提携範囲拡大は「現段階で念頭にない」としている。

セイノーHDの田口義隆社長と福通の小丸成洋社長がともに、地元トラック協会の会長を務めている関係で、東日本大震災をきっかけとした災害時の対応や、厳しい事業環境下で先細りを回避する思惑で一致し、昨年12月から具体的な提携協議を開始した。

特に、東日本大震災当時、サプライチェーンの混乱が経済活動など国民生活に大きな打撃を与えたことから、「物流が暮らしと経済を支えていることを再認識した」ことが重要な背景となった。

ライフラインの役割を担う企業として、社会的責任を果たしていく必要性で一致し、両社の事業継続計画(BCP)の一環として、災害時の機能継続・早期復旧機能の確立を図るため、「大規模災害発生時などでの相互協力に関する協定書」を取りまとめ、調印した。

また、運送会社を取り巻く経営環境は、燃料価格の高騰、環境問題への対策、ドライバーの確保、事業者数の相加に伴う競争の激化——など、一段と厳しくなっていることから、両社の経営資源を共有することで、品質、利便性を向上させ、適正なサービスを提供できるようにする狙い。

災害時相互協力協定では、(1)被災地域での物流施設(プラットフォーム、事務所)の提供(2)被災地域での作業人員の応援(3)インタンク(燃料)の共同利用(4)被災従業員への社宅提供(5)災害情報、道路情報の共有(6)従業員の安全・安心の確保(7)防災訓練の協同実施——の7項目にわたる取り決めを行った。

共同一括配送のエコデリバリーでは、「提供・顧客(出荷人、荷受側)、社会、業界の困りごとの解決を目指す」ことを掲げ、同一の配送先を集約して一括で配送することにより、荷受作業の負担軽減を図るほか、通い容器、パレットの回収にも取り組み、大口配送の非効率性を改善する。