調査・データ4-6月期の四半期決算が発表のピークを迎えつつあるなか、2024年問題をトリガーとする物流への対応が企業収益を左右する姿となって浮かび上がってきた。
間仕切りメーカー大手の小松ウオール工業は3.1%の増収(前年同期比)を確保した半面、営業利益は43.7%減、最終利益も53.3%減で着地。物流費の増加に加え、東京のショールームを増床したことによる賃借料の増加が響いた。
同社は生産・物流オペレーションの高度化に着手。加賀工場の隣接地に新棟を建設し、現在、第三工場で稼働している可動間仕切りの生産ラインを新棟に一部移管することで生産能力を増強し、ライン移管後は工場の空きスペースを活用して出荷業務の効率化を図る。新棟は26年6月に稼働させる。
長野県を中心にスーパーマーケットやホームセンター店舗を展開する綿半ホールディングスは、4月に同県飯田市の新物流センターが稼働させるなど物流効率化への取り組みが寄与し、増益を確保。スーパー事業では、漁港から直送される新鮮な魚介を取りそろえた鮮魚特化型の店舗の拡充や、世界の食材を取りそろえた店舗内コーナー「ワールドマーケット」の展開を推進する。
総合化学メーカーのトクヤマは苛性ソーダの輸出を増やし、製造コストの改善を進めて増益を確保した。一方で、半導体関連製品の販売が回復しきらず減収となった。
鋳造品メーカーの日本鋳造は、物流倉庫の堅調な需要を受けて建築物用柱脚の販売が増加。橋梁向け支承も公共工事の取り込みが順調に進み前期を上回った。ただ、素形材関連で鉱山機械向け鋳鋼品の販売が減少したほか、円安による電力費の増加、賃上げによる人件費の増加が重なり、それに対応した価格改定が進ちょくせず、利益率が悪化。16.8%の減収、600万円の営業赤字を計上した。
物流施設事業への参入も続く。関西圏を中心に不動産管理・仲介を手掛けるエスリードは、物流施設事業への進出を検討。従来のマンション開発に加え、ヘルスケア関連施設や商業ビル・ホテルなどの開発にも着手を開始しており、今後は老人ホームや物流施設などの新事業の展開も見据えるという。
産業用機械の製造・卸を手がける椿本興業は、自動化装置や立体倉庫、自動仕分け装置などを含む設備装置の売上高が東海地区で重工業向けや一般機械部品、自動車関連を中心に伸びたことで増収。ただし北海道・東北・甲信越・関東地区では横ばい、西日本は微減となった。中国子会社は日系企業の設備装置需要が一巡したことで減収となった。
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