ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

「プラグ&プレイ」産業都市を開発、複合モーダル物流ハブも新設

国策誘致でインドに商機、物流インフラ整備を加速

2025年9月18日 (木)

ロジスティクス駐日インド大使館(東京都千代田区)は17日、インドと日本の次世代パートナーシップに関するセミナーを開催。インド商工省次官らが、製造業の誘致を支える国家的な物流インフラ開発計画を説明し、日本の物流・製造業関係者に対して急成長するインド市場への投資を呼びかけた。会場は満席で、立ち見が出るほどの盛況ぶりは、サプライチェーン再編の受け皿としてのインドへの関心の高さをうかがわせた。

セミナー冒頭、駐日インド大使館のデブジャニ・チャクラバルティ公使(経済・商務担当)が登壇。ことし8月末の日印首脳会談の成果として、今後10年間で日本からインドへ10兆円の投資目標が設定されたことや、5年間で50万人の人材交流を目指すことなどを紹介し、両国の連携深化に向けた機運の高まりを強調した。

▲駐日インド大使館のチャクラバルティ公使

基調講演では、インド商工省産業国内取引推進局(DPIIT)のアマルディープ・シン・バティア次官が、インドが2047年までに先進国入りを目指す国家目標を掲げていると説明。年率6.5%から7%の経済成長を背景に国内需要が爆発的に増加すると予測し、その一例として電力セクターの発電容量が47年までに現在の4倍以上に拡大する必要があると指摘。インフラ全般で巨大な需要が生まれる見通しを示したうえで、外国直接投資(FDI)政策や税制の簡素化など、ビジネス環境の整備を積極的に進めているとアピールした。

▲インド商工省のバティア次官

セミナーで特に注目を集めたのが、インド政府が国策として進める大規模なインフラ整備計画「国家産業回廊開発プログラム」だ。インド産業回廊開発公社(NICDC)が推進しているもので、インドをグローバルな製造拠点に変革するため、未開発地に最先端のインフラを備えた複数の産業スマートシティを開発する。インフラが完備された「プラグアンドプレイ」施設を国が整備することで、インドに進出しようとする企業の許認可プロセスを大幅に短縮し、迅速な操業開始を可能とする。

これらの計画には、すでにトヨタ自動車をはじめとする多くの日本企業が進出を決めているという。さらに、今後1年以内に2つの産業スマートシティに加え、2つの複合モーダル物流ハブと輸送ハブが完成予定であることも明らかにした。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の奥村明子理事は、インドに進出する日系企業の8割以上が事業拡大に意欲的だという調査結果を報告した。 8月末のモディ首相訪日時に開催された日印経済フォーラムでは、ジェトロが半導体や宇宙、水素などの先端産業を含む170件の協力覚書(MOU)を紹介したという。

▲ジェトロの奥村明子理事

セミナー終了後にはネットワーキングの時間が設けられ、日印の参加者が今後のビジネス展開に向けて活発に交流した。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。