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首都圏への本社移転が過去10年で最高に、TDB

2025年9月18日 (木)

調査・データ帝国データバンク(TDB)は18日、ことし1月から6月までに本社機能を地方から首都圏に移転した企業は過去10年で最多の200社だったとする調査結果を公表した。首都圏から転出した企業は150社と前年同期から減少しており、企業の間で「首都圏回帰」の動きがみられる。

同社は、保有する企業データをもとにことし上半期に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と地方の間での本社移転が判明した企業(個人事業主、非営利法人など含む)について分析を行った。調査結果によると、今年上半期に地方から首都圏へ移転した企業は200社で、前年同期から47社(30.7%)増加した。このペースでいけば、1990年以降初めて400社を超える可能性がある。

逆に首都圏から地方へ本社を移転した企業は150社で前年同期から17社(10.2%)減少した。コロナ禍で首都圏外への転出が増加した21年以降では最少となった。

転入が転出を50社上回る「転入超過」となり、半期で転入超過となるのは19年の17社以来、6年ぶりとなる。地方からビジネスチャンスを求めて首都圏に移転する中小企業が目立ち、前年まで見られた「脱首都圏」の動きが減速した。

地方から首都圏へ転入した企業の業種では、「サービス業」の80社が最も多かった。ついで、「卸売業」の32社、「小売業」の29社が続いた。

首都圏から地方へ転出した企業でも、「サービス業」が50社で最も多く、次いで「卸売業」が34社、「小売業」の21社が続いた。

売上高規模別にみると、首都圏へ転入した企業では「1-10億円未満」の84社が最も多かったものの、前年同期からの増加幅では「1億円未満」が24社増の79社となった。転出した企業では「1億円-10億円未満」の71社が最も多く、前年から増加した。一方で「1億円未満」は55社で大幅に減少し、半期ベースでもコロナ禍以降で最少となった。

首都圏へ移転した企業の転入元で最も多かったのは、大阪府の40社で、福岡県の22社が続いた。転入元は33道府県で、前年同期の28から増加した。転出先でも、大阪府の17社が最多で、次いで静岡県の15社、茨城・愛知両県の13社が続くなど、首都圏の近隣か大都市部に集中する傾向が見られる。転出先は29道府県にとどまり、前年の35から減少した。

ウェブ会議を活用したビジネススタイルやリモートワークが浸透し、BCP対策による拠点の分散化が進んだほか、従業員のワークライフバランス向上など地方移転へのメリットに対する理解が進んだこともあり、前年までは「脱首都圏」の動きが広がっていた。

首都圏回帰の傾向が強まったことについて、同社は「対面での営業活動が再び活発になったことで、取引の機会を求めて首都圏への進出を希求する企業が少なくない。対外的な信用やブランド面での優位性によって、新卒採用などの人材獲得で有利な点も要因として考えられる」などとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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