メディカルパナソニックヘルスケアは9日、血糖値測定センサーの新工場を愛媛県東温市の松山地区に建設し、2011年4月から生産を開始すると発表した。これにより、12年度には月産約3.6億枚(年産約44億枚)の生産体制を整える。
血糖値測定システムは、糖尿病患者が自分の血糖値を把握し、体調をコントロールするために利用される。糖尿病患者の数は世界中で年々増加しており、10年には約2.8億人、30年には約4.4億人に増えると予想されている。
同社は今後の需要拡大に備え、松山地区に新たに工場を建設し、松山地区と徳島県の脇町地区の2工場で月産約3億枚(年産約35億枚)の体制を、12年度には2割増強する。
新工場は、市場への供給責任という観点から、大規模地震が発生しても生産設備への被害を最小限にとどめるため、免震構造を採用。また、医薬品を扱う工場に求められる品質要求などに対応した建物や設備を持ち、環境面でも建物環境総合性能評価(CASBEE)のAランクを取得し、CO2排出量を削減するなど、環境にも配慮している。
同社は06年に、他社に先駆けて血液中の測定妨害物質の影響を受けない新型酵素を用いた血糖値測定センサーを開発し、07年からは中国や東南アジア、南米などの市場に向けた低コスト商品も開発・販売してきた。
■血糖値測定センサー新工場の概要
名称:パナソニックヘルスケア血糖値測定センサー工場
所在地:愛媛県東温市南方2131番地1
生産品目:血糖値測定センサー
着工:2009年12月
竣工:2010年9月
生産開始:2011年4月
建築面積:約4200平方メートル
延床面積:約8950平方メートル
階数:3階