サービス・商品九州を中心に食品・酒類などの卸売を手掛けるヤマエ久野(福岡市博多区)は28日、日立製作所が開発したシステムを応用し、AI(人工知能)が需要を予測して汎用倉庫の自動発注をする独自システムを開発したと発表した。ことし4月から稼働しており、システム導入2か月で、発注業務時間を半分に短縮できたという。
汎用倉庫は多様な顧客向けの商品を扱うため、需要の予測が難しく、システムを導入しても発注時間の短縮などの効果を上げることが難しいとされる。これに対し、ヤマエ久野は、特定の取引先からの大幅な受注増を検知し、急激な需要の変化に対応する「スポット特売機能」を導入すれば、需要予測精度が安定化し熟練担当者が算出した発注数量と同じ水準で発注計算できることを確認した。
また、汎用倉庫は倉庫の仕様やエリアによって特性が出るため、倉庫の特性や出荷傾向に対応して最低在庫や発注頻度を調整する「自動チューニング機能」を登載。これによって、4拠点の倉庫へのシステム導入に成功した。また、最低発注量や車両積載率などの配送条件に対応し、仕入れ先単位で発注数量をコントロールする「ロット丸め機能」も採用した。
これによって、システム稼働開始後2か月後の6月末時点で、複数の熟練担当者が1人で1日当たり3時間要していた発注業務時間を、1時間半に短縮できた。
今後、ヤマエ久野は販売エリアの拡大に対応するため、発注作業担当者を集約しながら、生産性を高めていく予定で、仕入れ先からの入荷回数や仕入数をコントロールすることで倉庫内作業の効率化を図る。
日立の需要予測型自動発注サービスはこれまで、全国チェーンのスーパーマーケットやドラッグストア、大手衣料品店、食品卸売業などに採用されてきたが、発注業務の自動化が難しい卸売業者の汎用倉庫の導入は初めてだった。日立では、今回のシステムをもとに、小売業・卸売業向けに標準化したシステムの開発を進める。
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