調査・データアメリカの市場調査会社のSDKIアナリティクスは23日、来年から2037年までの冷凍油市場に関する調査レポートを発行した。同社によると、今後、市場は年平均4%の成長を続け、2037年には市場規模は20億ドルに達する。
冷凍油は、基本的に冷凍・空調システムなどに用いられる特殊な潤滑剤。コンプレッサーの可動部品を潤滑して摩擦を減らすために使われる。
同社の「冷凍油市場に関する調査レポート:予測2025―2037年」によると、冷凍油市場の規模は2024年に12億ドルに達したとみられる。食品チェーン物流と食品産業の増加が冷凍油の需要を促進しているといい、食品・飲料業界の市場拡大により、冷蔵機器などの需要が高まっている。さらに、生鮮食品の保存に不可欠なコールドチェーン市場も急速に成長しており、冷蔵施設の冷凍機器をスムーズに運用するため、信頼性の高い冷媒潤滑剤が求められている。
同社の市場調査レポートによると、世界のコールドチェーン物流市場は2032年までに8700億米ドルを超えると予測されており、POEオイルやPAGオイルなどの合成オイルの需要に直接影響を及ぼすとみられる。
オイルのタイプ別に見ると、冷凍油は大きく合成油と鉱物油に分けられ、合成油の市場シェアは37年までに6割を占める。鉱物油の代替品と比較して、合成冷凍油は優れた熱安定性や低い揮発性、より優れた潤滑特性を備えているため、最新の高効率冷凍システムの使用に最適となっている。同社によると、合成油にはメンテナンスの頻度を減らすとともに、冷凍コンプレッサーの寿命を40%延ばす効果があるといい、システムの信頼性を向上させることができる。
地域別では、北米での市場は冷蔵倉庫の増加と物流量の大幅な増大によって、今後も大きな成長が期待できる。特に米国の冷蔵倉庫市場規模は23年に400億ドルを超えるなど急速に増加しており、それにつれて冷凍油の需要が増加する可能性がある。
日本は合成冷凍油のリーダー的な役割を担っており、高効率冷凍や空調システムで優れた性能を発揮するPOE油などの合成油を開発している。日本は23年3月から24年2月までに冷凍油を500回以上輸出しており、冷凍油市場の成長の可能性を示している。
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