荷主川崎重工業(東京都港区)は16日、発電出力5メガワット以上の大型ガスエンジンにおいて、水素のみを燃料として二酸化炭素を発生せずに安定した燃焼を実現できる技術を開発したと発表した。発電出力5メガワット以上の大型ガスエンジンにおける水素専焼技術は現時点で世界初(同社調べ)だという。
同社は、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇などの環境問題に対応すべく、燃焼時に二酸化炭素が発生しない究極のクリーンエネルギーと言われる水素の活用に注力してきたという。
しかし水素は、天然ガスに比べ燃焼速度が速く燃焼温度が高い特性から、異常燃焼が生じる可能性や燃焼室の部品が過熱することによる早期劣化が懸念されていた。

▲単気筒試験機(出所:川崎重工)
水素を燃料とするレシプロエンジンでは、水素の燃焼特性の制約から、出力を下げるか、水素を天然ガスと混焼させる方法が一般的。今回の開発で、電気着火式カワサキグリーンガスエンジンの単気筒試験機において本技術を適用することにより、水素のみを燃料として運転した場合でも、天然ガスを燃料とした場合と同じ出力を維持したまま安定して運転が可能であることが確認された。今後、2030年ごろの商品化を目指し、製品実装への最適化と設計を進めるという。
同社は今後も、現在稼働中のガスエンジンへの適用など、さらなる水素エネルギー利用の開発を進め、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com