調査・データ商船三井は11日、最新のマーケットデータを発表した。
ドライバルク船の市況は安定を維持しつつ、特にケープサイズ船のスポット傭船料が上昇しているが、中国の鉄鋼生産や鉄鉱石輸入の抑制策が供給過多に影響を与え、今後の相場に変化をもたらす可能性が指摘されている。油送船市場では、VLCC(大型タンカー)のアラビア湾-日本航路の傭船料が10月以降徐々に増加し、アジアでの石油需要拡大を背景に収益性が改善している。プロダクトタンカーも引き続き堅調で、日本向け輸送のスポット傭船料が高水準に達している。
自動車運搬船では、日本からの自動車輸出台数が前年を上回り、さらにドイツや中国からの輸出が堅調に推移していることから、需要が増加している。特に中国からの輸出台数が前年同月比で大幅に増加し、自動車船市場の活発化に寄与している。コンテナ船については、中国発のコンテナ運賃指標(CCFI)が欧州航路と北米西岸航路で高水準を保ち、北米航路の荷動き量の増加が確認されている。
また、為替市場では円安基調が続き、シンガポール港での燃料油価格も上昇している。これに伴い、船舶運航コストの上昇が見込まれ、運賃に影響を及ぼす可能性が高まっている。各市場の動向は地域ごとに異なるが、世界の海運業界は、輸送コストの上昇と需要の変動に対応しながら、各セクターでの収益確保に努める必要があると見られている。
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