調査・データ名古屋税関は20日、近年輸出額が増加傾向にある御前崎港(静岡県御前崎市)についての資料を公表した。
同港の23年の輸出額は4082億円で、過去2番目の金額だった。1997年に完成自動車の輸出が始まるまでは、輸入超過が続いていたものの、完成自動車の輸出開始後は輸出超過が続いた。2008年に過去最高を記録した後、リーマンショックなどの影響を受け右肩下がりで金額は減少したが、17年頃から再度増加傾向に転じた。
輸出の上位3品目の「自動車」、「自動車の部分品」、「楽器」については、大規模工場が御前崎港近辺に位置していることもあり、全体の8割弱を占める。最も金額割合の大きかった自動車は、御前崎港が県内唯一の完成自動車取扱拠点であることもあり、97年以降品目別金額シェアでトップを継続している。自動車は近年半導体不足等により一時的な輸出額の落ち込みがあったものの、23年は「自動車」は小型ガソリン車が増加、「楽器」はグランドピアノや金管楽器、打楽器が好調だった。24年上半期は、「自動車」では小型ガソリン車(1000CC以下含む)が大きく増加しており、「自動車の部分品」ではギヤボックスが増加。「楽器」については、金管楽器が引き続き増加している。
国・地域別輸出金額シェアは西欧が約55%、アジアが28%だった。国別にみると、イタリア、ドイツ、インド、ベルギーで全体の47%を占めた。
輸出額の増加傾向の要因は、自動車や楽器等の輸出が好調であったこと。また、24年度中に御前崎港近郊に新たな地域高規格道路(金谷御前崎連絡道路)が開通を予定しており、更なる利便性の向上とともに輸出入金額の増加が期待されている。
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