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昨年のコンサル倒産は過去最多で淘汰進む、TSR調査

2025年1月10日 (金)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は10日、昨年1年間の経営コンサルタント事業者の倒産が154件(前年比7.6%増)に達したとするレポートを公開した。2005年の集計開始以降で年間最多だった23年の143件を上回り、過去最多を更新した。同社は「経営のプロ」のコンサルタントも、顧客のニーズの高度化で専門性が求められるようになり、淘汰が加速しているとしている。

コンサル会社は、戦略系、士業などの専門系、政策系など業務や業種により多様化しており、最近はDX支援やM&A支援、補助金申請のアドバイスなど業務も多岐に広がっている。

1人でも少ない資金で開業できるため、参入障壁は低いが、実績や特色が重視されるなど顧客の獲得は容易ではなく、コンサルタント自身の経験や人柄、人脈などが業績を大きく左右する。

昨年5月に破産開始決定を受けた北浜グローバル経営(大阪市北区)は、中小企業向けの補助金獲得支援などのコンサルティングを手がけていたが、人件費など経費負担が過大となり資金不足に陥った。負債総額は約20億5300万円で、昨年の経営コンサルタント事業者の倒産で最大規模となった。

倒産全体を原因別で見ると、販売不振や既往のしわ寄せなどを含む「不況型倒産」が102件で全体の66.2%を占めた。

形態別では、「破産」の147件が全体の95.4%を占め、圧倒的に多い。「特別清算」5件と合わせ消滅型は152件で98.7%となった。再建型の民事再生は2件にとどまり、信用が失われたコンサル会社の再建は難しいことがわかる。

資本金別では、1億円未満の中小企業が152件でほぼ全てを占めた。従業員数別でも5人以下の小規模事業者が143件で92.8%を占め、資産背景に乏しい中小コンサルタントの厳しい現状を裏づけている。

同社は「今後も、コンサル業界の苛烈な生き残り競争が進み、実績と特色を打ち出せない企業は淘汰される可能性が高い」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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