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上海海運取引所、ばら積み貨物の市場動向

2025年2月12日 (水)

調査・データ上海航運交易所は2月7日、2025年1月の中国沿海散貨輸送市場の分析報告を発表した。1月の運賃はコストを下回り、さらに国際原油価格の上昇により船舶の運航コストが増加。これに伴い、一部の船主が運航を早期停止し、運賃指数は継続して下落した。1月24日時点の沿海散貨総合運賃指数は934.44ポイントで、前月末比9.6%下落。月平均は969.38ポイントで、前月比11.1%の下落となった。

石炭輸送では、1月は全国的に気温が高めに推移し、家庭向け電力需要が減少。企業の休業が進む中、発電所の稼働率が低下し、石炭の消費が減少した。沿海8省の発電所の日次消費量は179.4万トンに減少し、在庫は3406.6万トンに達し、可用日数は19日に増加した。

石炭価格は、供給減少の影響で一時的に安定したものの、在庫消化の鈍化や輸入供給の充足により下落が続き、企業の長期契約価格を下回った。運賃も需要の低迷と原油価格の上昇で下落を続け、採算割れした船舶の一部が早期停航した。1月27日には、中国沿海石炭運賃指数(CBCFI)で、秦皇島港-張家港(4-5万重量トン)航路が18.1元/トンと前月末比8.3元下落。秦皇島港-広州(6-7万重量トン)航路も19.6元/トンと同じく8.3元下落した。

金属鉱石輸送は建材需要の低下で在庫が積み上がり、鉄鋼価格も下落。冬季在庫の積み増しが進まない中、製鉄所の生産縮小と休業が拡大し、鉄鉱石輸送の需要も低迷した。さらに、石炭輸送の減少による船舶の供給過剰が加わり、運賃が下落。1月24日時点の金属鉱石運賃指数は959.29ポイントで、前月末比7.8%の下落。月平均は987.09ポイントで、前月比7.4%の下落となった。

穀物輸送は南方港湾の倉庫容量が逼迫し、船舶の荷役が遅延。加えて供給過剰が続き、沿海穀物輸送の運賃は下落を続けた。1月24日時点の穀物運賃指数は643.38ポイントで、前月末比19.7%の下落。月平均は704.55ポイントで、前月比21.7%の下落となった。

原油・成品油輸送は春節を控えた国内移動需要の増加を受け、下流市場の補充需要が高まり、成品油の運賃は上昇を続けた。1月24日時点の成品油運賃指数は1462.81ポイントで、前月末比1.7%上昇。原油運賃指数は1638.73ポイントで、前月末比0.1%上昇した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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