
▲特別セミナーに登壇したLOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長
ロジスティクス「第6回 関西物流展」が9日開幕、11日に最終日を迎える。会期中は、「特別セミナー」として、官民の注目すべき物流取り組み、最新動向などに関する22の講演にも人気が集まった。
10日の特別セミナーには、本誌LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長が登壇。働き方改革や法改正に伴う規制強化、行政処分の厳罰化など、事業存続と成長の分岐点に立つ運送事業経営が、今取るべき具体策や、経営の方向性について講演した。
中小がほとんどの運送事業では、法規制などに対応するデジタル化投資などが大きな負担となる一方、厳しい管理体制を逆手にとって経営の透明性を重視するなどの企業姿勢を明確にして差別化するチャンスと捉える事業者もいる。また、運送事業者のみの取り組み課題ではなく、サプライチェーン全域での見直しが必要であり、多様な物流関係者の関与、さらにはこの国全体での変革を見据えたものとしなくてはならない。国としての経済成長や安全保障、さらには国際競争力を支える物流基盤をより強固にしていくビジネスチャンスともなり得るだろう。
セミナーでは、物流改革の実現に向けた現場課題を明らかにし、短期、中期、長期の3つのフェーズに分けて基盤作りからデジタル導入、さらにスマート物流ネットワーク構築までの行程を示した。

▲特別セミナーの様子
また、CLO(物流統括管理者)設置で物流戦略を見直す荷主企業や3PL事業、コンプライアンス順守姿勢とデジタル技術導入が必須の運送事業、より高度かつ協調領域も見据えたソリューション開発が求められるITベンダーなど、それぞれの分野ごとの対応、特に荷主企業のCLOが機能する体制作りの必要性を解説。日本が高齢化、人材不足への対応力で先進的な取り組みで成果を示すことができれば、他国の参考となる物流DX(デジタルトランスフォーメーション)モデルを提示する「物流立国」としての立ち位置を明確にすることもできるのではないかと語った。
特に、物流立国実現に向けてはドライバーの価値向上こそが鍵となると説く。現場のドライバーの技能を評価し、キャリアアップや転職の際に正当に評価できる基盤を確立するために、トラックドライバーが自身の乗務実績をデジタル化して記録、保管、活用できるプラットフォームの構築を提案。透明性高いドライバーの評価体制によるモチベーション向上、業界全体の質的向上につなげようと呼びかける。単なる業界の生産性向上にとどまらず、荷主、3PL、中小運送会社、ITベンダー、そしてなによりプロフェッショナルなドライバーが一体となる連携モデルの構築こそが、真の「物流立国」実現につながると語った。
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