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JR貨物決算、黒字転換で今期も大幅増益見込む

2025年5月13日 (火)

財務・人事日本貨物鉄道(JR貨物)は13日、2025年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年比6.5%増の2007億5100万円、営業損益は27億600万円の黒字(前年は47億8200万円の赤字)、経常損益は14億5600万円の黒字(同42億9100万円の赤字)、最終損益は67億5800万円の黒字(35億500万円の赤字)と、増収とともに各利益段階で黒字転換を果たした。

主力の鉄道ロジスティクス事業は、売上高が6.4%増の1804億円、営業損益は85億円の赤字と、前年の152億円の損失から赤字幅が縮小した。2024年問題や脱炭素への意識の高まりを背景とした鉄道シフトの進展や、24年4月の基本運賃改定が寄与した。コンテナ輸送量は2.8%増、車扱も1.4%増となり、合計では2.4%増だった。エコ関連物資や食料工業品が好調だった。一方で、台風などの自然災害や、新山口駅構内での貨物列車脱線事故、輪軸組み立て作業に関する不正事案の影響で多数の列車運休が発生し、輸送量は目標に届かなかった。

不動産事業は、福岡市の商業施設開業や賃貸マンションの稼働により、売上高が7.3%増の218億円、営業利益は9.8%増の108億円と増収増益だった。そのほかの事業は、リース収入が増加したものの、売上高46億円(1.6%増)、営業利益1億円(44.2%減)となった。

26年3月期の連結業績予想は、売上高2143億円(6.7%増)、営業利益88億円(3.3倍)、経常利益74億円(5.1倍)と大幅な増益を見込む。最終利益は、前期に特別利益が大きかった反動で、43億円(36.4%減)を予想する。

今後は中期経営計画2026の2年目として、不正事案からの信頼回復と安全基盤強化に全社で取り組む一方で、コンテナ輸送量目標(196億トンキロ)達成に向け、鉄道を基軸とした総合物流企業への進化や、「回転型不動産ビジネス」への本格参入で持続的な成長を目指すとしている。