調査・データカクヤスは28日、サンシャイン文化会館で開催した種類の総合展示会「KAKUYASU DEXPO〜カクヤスデクスポ」の会場内でメディア向け事業戦略説明会を開催した。
冒頭、カクヤスグループ取締役会長の佐藤順一氏はグループの事業変遷と今後の方針について説明した。コロナ禍や酒離れにより、既存の酒類販売事業だけでは成長が難しい状況を挙げ、新たな戦略としてプラットフォーム事業への転換を明言した。「強みである1時間以内の配送網を生かし、酒類だけでなく、食材や日用品など、地域住民のさまざまなニーズに応えるプラットフォームを目指す」
また、佐藤氏は7月1日付でカクヤスグループの新社名を「ひとまいる」にすると発表。「社名変更に併せて、ラストワンマイルの配送網と社員によるきめ細やかなサービスをお届けする」と述べた。

▲「お届けに参ります、という意味も新社名に込めた」と語るカクヤスグループ取締役会長の佐藤順一氏
続いて、カクヤスグループ社長兼CEO前垣内洋行氏が中期経営計画を解説。事業再編による成長戦略として、自社成長やM&A、他企業とのアライアンスで商材の拡大を図る。さらに、酒類販売に加え、食材や調味料など取り扱い商材の多様化を試み、グループ外の企業へも配達プラットフォームを提供するとした。外部アライアンス先商品の取り扱いを強化し、一般消費者や飲食店へ多彩な商品を迅速配送するプラットフォーム構築に注力すると述べた。
物流面について、前垣内氏は既存の社内商品に加え、他社商品の「他人物配送」にも本格参入すると明言した。現在、同社は東京23区中心に酒類を即配や1時間枠で配送するラストワンマイル物流を展開している。今後は当日中や1時間枠で多品種即配を目指す。顧客満足度の向上と事業のさらなる拡大を進めるとした。
さらに、前垣内氏は物流拠点の30%程度に配送余力があることを挙げ、今後は食材や日用品など新たな商品カテゴリも順次取り扱い開始すると述べた。配送拠点の柔軟な活用による即日・翌日配送、効率的な小型出荷倉庫からのルート配達も強化し、他人物配送で新たな収益源の確立を進める方針だという。既存事業においては、同業他社の配達力が業界全体で低下する物流2024年問題を背景に、カクヤスならではのきめ細かい顧客対応と多品種の迅速配送を徹底する名言した。

▲(左から)カクヤス取締役飯沼勇生氏、佐藤氏、カクヤスグループ社長兼CEOの前垣内洋行氏
同社は今後はデジタル技術やDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に活用し、アプリやウェブ注文の利便性向上、配達効率化や本部業務の自動化でコスト削減と収益強化を実現するとした。加えて、関西や九州など新規エリアや政令指定都市への進出も検討する。店舗戦略も専門性や利便性など顧客ニーズに応じて再構築し、使い勝手向上と多様な品揃え実現を目指す。
企業全体としての連結数値目標を提示し、2030年3月期には売上高2300億円、営業利益40億円、3か年累計の設備投資35億円、年平均成長率8%、営業利益年平均成長率30%を目指す、数値目標を掲げた。
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