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ヒアリ1000匹を伏木富山港で発見、富山県内初

2025年7月15日 (火)

行政・団体富山県と環境省は15日、伏木富山港(新湊地区)国際物流ターミナル(富山県射水市)で要緊急対処特定外来生物のヒアリ1000個体以上を確認したと発表した。今回の確認は富山県内で初の事例となる。同省は確認場所周辺に殺虫餌を設置し、関係機関と協力して調査と防除を進める。

▲今回発見されたヒアリ(出所:富山県)

これまで、環境省は国土交通省の協力を得て、ヒアリが生息する国や地域からの定期コンテナ航路を有する全国の港湾で調査を2017年から実施している。11日、環境省の信越自然環境事務所が伏木富山港で実施した全国港湾調査において、調査事業者がコンテナヤード上でヒアリと疑わしいアリ1000個体以上を確認した。同省は直ちに殺虫餌を設置し、専門家に同定を依頼。14日、専門家がこれらのアリがヒアリであると確認した。

確認されたヒアリは全て働きアリで、個体数は1000以上。ヒアリは外来生物法第2条第3項に基づき、要緊急対処特定外来生物に指定されている。刺されると 火傷のような激しい痛みが生じ、水ぶくれやうみを伴う腫れが数週間続く。毒に含まれるアルカロイド成分がアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある。症状として呼吸困難、動悸、めまい、意識喪失が現れる。最悪の場合は死に至る。特にハチ毒アレルギーを持つ人は注意が必要だ。まん延した場合、生態系や国民生活に重大な被害を及ぼす恐れがある。発見時には緊急の防除を必須だ。環境省は今後も発見場所で調査と防除を継続し、ヒアリの定着防止に取り組む。

伏木富山港の国際物流ターミナルは保安上の理由から一般の出入りを制限している。同省は港湾関係者に対し、コンテナへのヒアリ付着の点検や発見時の駆除を依頼している。事業者向けの対応として、コンテナ開封時にヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合、刺激を避けつつ状況を確認するよう求めている。少数で逃げ出す恐れがない場合は、市販のスプレー式殺虫剤で駆除し、環境省地方環境事務所に連絡するよう要請している。多数の生きたアリがいる場合は、コンテナの扉を閉めて静置し、強粘着の布ガムテープで目張りするなどの対応後、速やかに連絡する旨を伝えた。

ヒアリがもたらす貨物取扱現場のリスク、健康被害など極力食い止めるよう、今後の拡散防止対策の徹底と迅速な情報共有がますます重要になる。

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