調査・データリサーチ・アンド・マーケット(アイルランド)は11日、米国リコマース市場インテリジェンス・データブック2025をリリースしたと発表した。
レポートでは、再販・レンタル・再生などを含む25年の米リコマース市場規模を642億9000万ドル、20年から24年の年平均成長率を14.1%とし、25年から29年は9.4%の成長を見込み、29年には919億7000万ドルに達するとしている。
同レポートは、消費者間取引(C2C)や企業対消費者取引(B2C)、トレードインプログラム別のリコマースチャネル、市場モデル別など多角的に60以上のKPIを分析する。電子機器やアパレルなど小売カテゴリー別の動向や物流インフラ、認証プロセスの整備状況を詳細に取り上げ、市場の全体像を提供する。
概略の紹介では、アメリカの小売大手がリバースロジスティクス戦略の中核にリコマースを位置づけ、返品や余剰在庫の再利用を本格化させていると報告。ウォルマート、アマゾン、ターゲットなどが先導し、返品商品の再販、寄付といった手法で廃棄物削減を進める一方、在庫最適化と利益率向上を図っている。
背景には消費者のサステナビリティ意識の高まりがあり、低価格で品質の良い再利用品への需要が拡大。アパレル、家電、家具など幅広い商品カテゴリーで中古品取引が成長している。小売事業者はAIや自動化による検品、仕分け、在庫管理の効率化を進め、オンラインプラットフォームを活用した再販チャネルの構築を加速している。
報告書では、こうした動きを戦略的投資と位置づけ、物流コスト削減だけでなく、ブランド価値向上や顧客獲得競争力の強化につながると指摘する。大手企業はリバースサプライチェーンの透明性向上やトレーサビリティの確保にも注力しており、持続可能なビジネスモデルへの移行が進む見通しだ。
今後数年間でリコマース市場はさらに拡大が予想され、規制環境の変化や消費者意識の進化を踏まえた取り組みが重要になるとしている
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。