M&A米鉄道大手のユニオン・パシフィックは29日、米東部に鉄道路線を展開するノーフォーク・サザンを850億ドル(12兆6000億円)で買収すると発表した。ユニオン・パシフィックは米西部に鉄道網を持っており、正式に合併が成立すれば、米国で初めて東海岸から西海岸を結ぶ大陸横断鉄道会社が誕生する。

(出所:ユニオン・パシフィック)
ユニオン・パシフィックによると、両社は6か月以内に米陸上運輸委員会(STB)に申請書を提出する予定で、STBや株主などの承認などを経て、2027年初めの正式合併を目指している。
買収は株式交換と現金を組み合わせて行う予定で、ノーフォーク・サザンの株主は同社株式1株につきユニオン・パシフィックの普通株式1株と現金88.82ドルを受け取る。このために、ユニオン・パシフィックは2億2500万株を発行し、新規借り入れなどを行う。
合併が実現すれば、東海岸から西海岸まで43州を網羅し、100におよぶ港を結び、北米のほぼ隅々までを網羅する全長5万マイル(8万キロ)を超える全米横断鉄道網が誕生するという。両社は「東西を結ぶ単一のネットワークは、車両の乗り入れやインターチェンジの遅延をなくし、新たな路線を開設し、複合輸送サービスを拡大し、主要鉄道路線における輸送時間の短縮を確保することで、より迅速で競争力のあるサービスを提供する」などと意義を強調。「高速道路から多くのトラックが削減され、渋滞が緩和され、税金で賄われている道路の損耗も軽減される」とした。
また、両社は「両社の組合員の雇用は維持する」とし、「大陸横断鉄道を実現するのは容易ではなく、従業員の力が必要。合併によって雇用が創出されることを期待している」として従業員らにも協力を呼び掛けた。
同社は「全米横断鉄道網の実現で、私達は米国のサプライチェーンを変革し、国の産業力を解き放ち、米国のイノベーションの新時代を促進する立場となる」としている。
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