調査・データインドの市場調査会社SNSインサイダーは23日、モバイル拡張現実(AR)市場に関する最新レポートを発表した。それによると、同市場は急成長局面にあり、2024年の市場規模は292億ドルと予測され、その後、25年から32年まで年平均成長率(CAGR)30.84%で成長。32年には3277億ドルに拡大する見通しとしている。
成長の背景には、高性能なモバイル端末の普及に加え、AI(人工知能)、リアルタイムグラフィックス処理、5G通信などの技術進化がある。特にアジア太平洋地域では、先進半導体の生産拡大がAR向けチップ需要を支えており、市場拡大に大きく寄与している。
用途別では、ゲームやソーシャルメディアに加え、小売、医療、産業分野での活用が進展。小売分野ではバーチャル試着や商品可視化、医療分野では研修や診断支援、遠隔医療などで導入が広がっている。アップルやグーグル、メタなど大手IT企業による投資も市場の成長を後押ししている。
デバイスタイプ別に見ると、スマートフォンは24年の市場で最大シェアを占め、総収益の43%を占めた。LiDAR(ライダー)センサーや高性能GPU、AIプロセッサーを搭載したAR対応スマートフォンの普及が、ゲームやEC(電子商取引)、ソーシャルメディアでのAR体験の拡大をけん引している。一方、ウエアラブルやPDAベースのARデバイスは32年までに34%のCAGRを達成すると予測されており、医療、物流、製造現場での活用が拡大する見込みだ。
一方で、AR対応端末やコンテンツ開発にかかる高コスト、データプライバシーやサイバーセキュリティーへの懸念が課題として指摘された。これに対し、5Gやエッジコンピューティングの普及が、低遅延で高品質なAR体験を可能にし、新たな成長機会になると分析している。
地域別では北米が最大市場だが、アジア太平洋地域が最も高い成長率を示す見込み。同社によると、市場は今後も技術革新と用途拡大を背景に成長が続くとしている。
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