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13年度の国内貨物輸送、2年ぶりに増加の見込み

2013年12月12日 (木)

ロジスティクス日通総合研究所は12日、2013・14年度の経済と貨物輸送の見通しを発表した。国内貨物の13年度総輸送量は1.4%増と2年ぶりに増加に転じる見通しだが、14年度は1.9%減と再び前年度水準割れが避けられないとの見方を示した。14年度の外貿コンテナ輸出(主要9港)は3.1%増、同輸入が1.6%減、航空輸出は1.7%増、輸入は3.5%減となる見通し。

国内貨物輸送量の見通し(出所:日通総研)

国内貨物輸送量の見通し(出所:日通総研)

13年度の国内貨物輸送は、上期は景気が回復に向かうとともに、公共土木工事や民間住宅建設が大きく伸びたことから、消費関連貨物、建設関連貨物は堅調に推移した一方、生産関連貨物は設備投資が盛り上がりを欠く中、小幅なマイナス基調で推移した模様。

下期に入り、14年度の消費増税を見越した駆け込み需要の発生を受け、一部の貨物に増加が期待できることや、設備投資の持ち直し、鉱工業生産の回復などに伴い、機械機器や鉄鋼などを中心に生産関連貨物が増加に転じるとともに、消費関連貨物もプラスを維持、建設関連貨物も、公共土木工事や民間住宅建設の増加を受けて、引き続きプラス基調で推移すると予測した。

14年度は、13年度に発生した駆け込み需要の反動に加え、消費増税に伴う国内民需の減退などが輸送量を大きく押し下げる。消費関連貨物は、日用品などを中心に年度を通して水面下の推移が見込まれ、トータルでは1.5%減と低迷するとみている。

建設関連貨物も、復興需要のピークアウトに加え、民間住宅や非住宅部門の建設需要の落ち込みなどから4%台のマイナスとを予測。生産関連貨物は、自動車の需要が落ち込むほか、鉄鋼や化学工業品にも小幅ながら減少が見込まれる一方で、堅調な設備投資などを受けて一般機械はプラスを維持し、紙・パルプなどにも若干の増加が期待できることから、0.5%増とほぼ前年度並みの伸びになると分析している。

14年度の外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出は、世界経済が緩やかながら拡大基調を辿ることから、自動車部品や13年度底入れした一般機械が着実に増加するとみており、電気機械、化成品も底堅さを示すと予想。ただ、生産機能の海外シフトが進行しており、円安による押し上げ効果も限定的となることから、旺盛な荷動きとはならず、3.1%の増加にとどまる見込み。

輸入は、設備投資の堅調さを反映して、機械機器類にはプラス成長が期待できるものの、消費財は消費増税の影響で個人消費が前年度水準を下回ることを受け、衣料品、家具が反動減となるほか、食料品も弱含みで推移する。

航空輸出は、世界経済の回復に伴う需要拡大を背景に、電子部品、自動車部品、一般機械などが前年度後半からの増勢を堅持しそう。しかし、海外生産への移行に加え、現地調達率の上昇が輸送量の下押し要因となることから、円安も強い追い風とはならず、全体では4年ぶりの増加に転じるものの、低い伸びに抑えられるとの見方。

輸入は、消費増税に伴う個人消費の落ち込みが影響し、マイナス成長が不可避と指摘。主力の消費財は、食料品が全般的に弱含むことに加え、13年度堅調だった衣料品、家具も反動減を余儀なくされそうとの見方を示した。機械機器類も伸び悩む見込み。