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IHI、中東船社向けLNG燃料供給システムを共同開発

2013年12月16日 (月)

荷主IHIは13日、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)とともに、中東の大手船会社「ユナイテッドアラブシッピング」(UASC、ドバイ)が韓国の現代重工業に建造発注した1万4000個積みコンテナ船5隻とオプション船6隻、1万8000個積みコンテナ船5隻とオプション船1隻向けに、液化天然ガス(LNG)を推進用燃料とするLNG燃料供給システムの共同開発を実施することで合意した、と発表した。

LNG燃料タンクにはIHIとJMUの独自技術「IHI-SPB」(自立角型IMOタイプB)タンクを採用、JMUは主にSPBタンクの設計を、IHIはSPBタンクの製作検討を行い、現代重工業と共同でノルウェー船級協会(オスロ)から基本承認(AIP)を取得する。

LNG燃料供給システムは、このコンテナ船が寄港する欧州、アジアの主要な港でLNG燃料供給のインフラ設備が整い次第、段階的にレトロフィットされていく計画。

コンテナ船の建造段階からレトロフィット時の改造工事を最小化するように設計を行う。LNG燃料システムのレトロフィットはアジア・欧州間を運航する大型コンテナ船向けでは世界初の試みとなる。

SPBタンクは、LNGの海上輸送、洋上生産などの用途の大型船舶や浮体向けに開発された技術だが、タンク形状、容積に制約がないため、LNG燃料タンクとしても複雑な船内スペースに合わせて優れた容積効率に配置できる。

これにより、数千立方メートル規模のLNG燃料タンクが必要となるコンテナ船でもLNGタンク、周辺機器数を最小限に抑えることができ、搭載コンテナ個数の減少を最小にするとともに、初期費用、メンテナンス費用の低減にもつながる。