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川崎重工、LNG燃料の大型コンテナ船開発

2012年1月18日 (水)
液化天然ガスを燃料とする9000TEU型コンテナ船を開発

液化天然ガスを燃料とする9000TEU型コンテナ船を開発

ロジスティクス川崎重工業は18日、液化天然ガス(LNG)を燃料とする9000TEU型コンテナ船の開発を完了し、ノルウェー船級協会(DNV)から設計基本承認(AiP)を取得したと発表した。

 

開発したLNG燃料コンテナ船は、北米や欧州で適用されるNOxやSOxの排出規制区域(ECA)内だけでなく、太平洋往復横断も可能な航続距離を達成する容量を持ったLNG燃料タンクを装備。バックアップ燃料として重油も利用できるよう、二元燃料推進システムを採用している。

 

居住区域と機関区域を分離配置したコンセプトを取り入れ、十分なコンテナ積載スペースを確保。また、居住区域下部にLNG燃料タンクと重油燃料タンクを配置することにより、貨物スペースへの影響を最小限に抑えた。

 

LNG燃料タンクは、容積効率の良い独立方形タンク(IMOType-B)を新たに開発。同社独自技術である川崎パネルシステムをタンク防熱に採用し、LNG燃料の自然蒸発を最小限に抑制した。燃焼効率に優れ、二元燃料に対応した低速ディーゼル機関(電子制御式)を採用し、船型最適化などにより、環境負荷を低減している。

 

IMO(国際海事機関)が施行するNOx、SOxの排出量規制は段階的に規制レベルが厳しくなっており、今後はCO2の排出量規制も新たに加わることが決まっている。LNG燃料コンテナ船は、従来型の重油燃料コンテナ船と比べてCO2排出量で約30%の削減が可能で、さらにNOx排出量を約80%、SOx排出量をほぼ100%削減可能。IMOが施行する予定のSOx規制(2015年)、NOxの3次規制(2016年)にも対応している。

 

同社では「今後も、今回の開発で得られた技術をコンテナ船以外の船種に適用し、引き続き環境にやさしい船舶を開発・建造していく」としている。