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スマートラベルの日本市場、価格帯が二層化へ

2025年9月25日 (木)

調査・データマーケットリサーチセンター(東京都港区)は24日、「スマートラベルの日本市場規模(-2030年)」調査資料の販売を開始したと発表した。

24年の市場規模は6億1000万米ドルを超え、RFIDやNFCチップの量産による価格の安定・低廉化が進む一方、環境センサーやセキュリティー機能が統合した高機能ラベルは付加価値を反映したプレミアム価格で導入され二層化が進んでいる。市場では、受動型の識別ラベルからセンサーや通信機能を備えた能動型ラベルへの進化が進み、「追跡」から「リアルタイム監視・認証・エンゲージメント」までを含むプラットフォーム化が進展。日本では5Gや先進的なIoT(モノのインターネット)インフラとの統合が重視され、環境モニタリング(温度・湿度・圧力など)や製品真正性の証明、消費者との双方向コミュニケーションを単一ラベルで実現する動きが広がっている。

技術別では、NFCタグがモバイル決済や高級品認証で活用され市場をけん引している。RFIDラベルは長距離読取・高スループット伝送を武器に超高周波(UHF)系が進化。温度・湿度・圧力・化学組成のセンシングラベルや、コンビニエンスストア・百貨店で導入される電子棚札(ESL)、電子商品監視(EAS)なども高度化が進んでいる。日本発のハイブリッドラベルでは、省電力・小型化しつつ複数機能を統合する設計が拡大している。

主要導入業界として、物流では高価値電子機器などでGPS統合型ラベルを用いた位置・環境条件のリアルタイム監視を実装。コールドチェーンや美術品輸送への展開可能性も示唆されている。小売では百貨店・コンビニを中心に在庫最適化と顧客エンゲージメント向上のためにESLやNFCを活用。食品・飲料では鮮度確認や廃棄削減、自動車部品では予知保全、高級品・医薬品ではブロックチェーン連携による真正性証明といった分野で導入が進んでいる。

また、プライバシー・セキュリティー規制への対応や相互運用性標準の整備、デジタル製品パスポート(DPP)対応も市場拡大を後押ししている。製造面では、日本の印刷エレクトロニクス技術や垂直統合(重要部品を内製し差別化維持)と、共同研究イニシアチブ(標準化・相互運用性の共通課題に協調対応)の両輪が、産業全体の革新速度を高めている。

同社の分析によると、市場はIoT統合・高機能化・省電力化・透明性向上の潮流を背景に、単なる識別ツールから「知能を備えた接点」へと進化している。市場の拡張余地は、ハイブリッド化・垂直統合・エネルギー自律といった日本独自の設計思想によりさらに高まる見通しだという。

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LOGISTICS TODAY編集部
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