調査・データ総合人材サービスのパーソルグループで、IT開発を手がけるパーソルクロステクノロジー(東京都新宿区)は2日、ロボットを使ったラストマイル配送の社会実装を目指し、滋賀県甲賀市や甲賀農業協同組合(JAこうか)、手原産業倉庫(滋賀県野洲市)と実証実験に向けた基本合意書を締結したと発表した。
同社では、ITやセキュリティ分野の専門的な技術を持ったエンジニアが幅広い業界での技術支援をしており、物流分野の自動搬送ロボットや介護用ロボットの開発支援などで実績を積み重ねてきた。今回はドライバー不足や高齢化が進む一方、EC(電子商取引)市場の拡大で需要がひっ迫している物流業界の課題解決に向けて、4者で「新たなインフラとしての配送ロボットを活用したラストマイル配送サービス」の実現に向けて、連携して取り組むことになった。
今後、パーソルクロステクノロジーは自動配送ロボットの選定やシステム開発、運行管理、遠隔監視を担当し、甲賀市は住民自治組織の協力を得て実証フィールドを提供するとともに、市民サービス拡充に向けた検討を進める。JAこうかは、弁当や食品などの荷主として参画し、地域拠点を提供。手原産業倉庫は物流の専門知識を生かして、現地支援やロボットトラブル時の対応にあたる。
実証実験は、JAこうかグループによる法人向け弁当や食料品の配送から小規模にスタートする予定で、将来的には個人宅配や農産物・日用品・酒類の配送、さらには地域の見守り監視や防災アナウンスなど多様な活用を想定している。
実証実験を通じて、地域の事業者と連携するなどして運行に必要な駆けつけサービスをはじめとした現地支援体制を構築し、配送拠点や現地支援者のネットワーク拡大を図る。また、弁当の定期配送の安定した稼働を実現し、次の段階として、フードデリバリーのような、オンデマンド型配送の運用も視野に入れた検証も実施する。さらに、地域の見守りや広告媒体としての可能性を分析し、配送ロボットの多用途活用を検討する。
同社は「私たちが描く未来は、待っているだけでベルトコンベヤーのように荷物が手元に届き、乗せるだけで荷物を送ることができる世界。労働力不足を解決する配送ロボットの社会実装を出発点とし、単なる物流の効率化を超えた夢を実現したい」としている。
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