拠点・施設旭松食品は11日、納豆事業をミツカングループ本社に譲渡することで基本合意に達したと発表した。
旭松食品は納豆事業収益確保のため、2010年5月末で埼玉工場を閉鎖するとともに関東エリア、東海エリアなどで納豆販売を停止し、長野、山梨県、近畿以西の営業活動に注力してきたが、「納豆市場は依然として縮小傾向にあり、熾烈な販売競争に加え原材料などの高止まりなどにより、将来にわたり収益を確保していくことが、非常に厳しい」として、事業撤退を含めて検討。
こうした状況の中、これまでも業務提携関係にあったミツカングループ本社と協議し、納豆事業を譲渡することで基本合意に至ったもの。旭松食品では今後、凍豆腐、加工食品を中心とした事業に経営資源を集中し、業績の向上を図る。納豆事業の売上規模は38億5000万円(11年3月期予想)。
基本合意によると、納豆事業の営業権をミツカンに、商標権などをミツカングループ本社に譲渡する。譲渡額は14億円で、2月下旬に事業譲渡契約を締結、4月1日をめどに事業移管を行う。
今回の譲渡は、営業権・商標権などのみで、土地・建物は含まない。また譲渡後、兵庫県小野市の納豆生産工場は閉鎖し、勤務する正社員は他事業所などへ配置転換する。長野県で納豆を生産している高森工場については、納豆以外の加工食品製造工場として操業を継続していく方針。