ロジスティクス包装機器メーカーのイシダ(東京都板橋区)は、東京ビッグサイト(江東区)で7日から10日まで開催される「JAPAN PACK2025日本包装産業展」で、自動包装ラインの効率化を進める最新機器を展示した。
出展の主軸は、箱詰め工程を自動化する「オートケーサー」と、窒素ガス充てんによって鮮度保持を図る「トレーシーラー」。いずれも製造現場だけでなく、輸送効率や物流安定化、フードロスの削減への寄与が期待されている。

▲イシダのオートケーサー
イシダのオートケーサーは、製品形状や包装仕様に応じて積み方を自動で最適化する自動箱詰めシステムである。袋菓子、パウチ食品、業務用パックなど多様な製品を同一サイズの段ボールに効率よく収納することができ、積載率を高めることで段ボール資材の削減と輸送効率の改善を両立する。
ブース担当者は「1台で縦積み・横積み・交互積みなど複数のパターンを登録でき、生産品目に応じてワンタッチで切り替えられる」と説明する。
同社西日本産機システム部北陸営業所の浜口弘晃所長によれば、「製品の入り数が最適化されることで1パレットあたりの積載量が1.5-1.7倍に高まるケースもある」という。同じ箱サイズを使い続けられるため、仕分けや在庫管理の単純化にもつながり、サプライチェーン全体の運用コスト削減が見込まれる。
食品メーカーのカルビーなど大手企業が同社の機器を導入。「近年はEC(電子商取引)物流や軽工業製品の出荷ラインにも導入が広がっている」と浜口氏は語る。
一方、トレーシーラーは、包装トレー内に窒素ガスを充填して酸化を抑え、食品の消費期限を延ばす装置である。従来、製造直後に即日出荷しなければならなかった生鮮食品も、2−3日間のリードタイムを確保できるようになり、生産と物流の調整余地が大幅に広がる。

▲同トレーシーラー
浜口氏は「サラダなど短命商材では、わずか1-2日延びるだけでも配送計画に余裕が生まれ、欠品や廃棄のリスクを減らせる」と語る。物流現場では、配送便の分散や在庫ロス低減につながり、需要変動が大きい中食・量販分野でのフードロス削減効果が大きい。
物流の現場でも、積載率向上によるトラック台数削減や、リードタイムの柔軟化による出荷波動の平準化が期待できる。省人化・効率化を超え、包装工程を物流最適化の起点とする技術として注目したい。
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