ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ヤマト、インド製造業の受け皿に海外最大物流拠点

2026年1月8日 (木)

拠点・施設ヤマトホールディングス傘下のヤマトロジスティクスインド(YLI、インド)は8日、インド北部に、海外最大規模となる物流拠点を開設したと発表した。新拠点の名称は「NH8(シドラワリ)ロジスティクスセンター」。製造需要が急拡大するインド市場を背景に、日本で培ってきた高品質なコントラクト・ロジスティクス(CL)を軸に、現地製造業のサプライチェーン構築を支援する。

▲NH8(シドラワリ)ロジスティクスセンター外観(出所:ヤマトホールディングス)

YLIは2008年3月設立。自動車メーカーなど製造業向けに、日本品質のCLサービスを中心に提供してきた。今回開設したNH8ロジスティクスセンターは、ヤマトグループの海外拠点として最大規模となる延床面積2万4900平方メートル。この拠点の完成により、YLIがインド国内で展開するロジスティクスセンターの延床面積は計5万1000平方メートルとなった。現時点では、輸送機器の完成車メーカー1社がテナントとして決定しており、スペアパーツの保管・運用などを想定している。

インドは世界最大の人口と比較的安価な労働力を背景に製造業の集積が進む。日本、中国、東アジア、東南アジアから部品を輸入し、北米や中南米、アフリカ、中東、欧州、とりわけ新興国向けに輸出する構造が強まりつつある。一方で、倉庫や輸送網といった物流インフラは質・量ともに不足しており、道路事情の不安定さによる破損リスクや、現場ワーカーの定着率の低さが課題とされる。

YLIはこうした環境を前提に、日本流の運用を現地仕様に落とし込む。基本作業はインド人スタッフが担い、品質管理や管理監督は日本人とインド人リーダーが担当。現地リーダーの育成や表彰制度を通じて、人材の定着と品質の平準化を図る。輸送手段は自社で保有せず、地場パートナーと連携する。

▲上空からの外観(出所:ヤマトホールディングス)

取り扱いの中心は製造業向け貨物で、輸送機器を軸に電子部品など高付加価値製品の拡大を見込む。冷凍・チルドといった低温食品の対応は行わないが、280平方メートルの定温倉庫を備え、15-20度帯での保管が可能だ。これはYLIとして初の定温倉庫となる。メーカーの集積が進むデリー周辺での電子部品製造に対応する。

特徴の一つが、インドの環境に合わせた梱包・輸送。高温多湿な気候や発展途上の交通インフラを前提に、補強梱包や防錆シートを活用し、設備・機械の輸送、搬入、据え付けといった複雑なオペレーションにも対応する。破損や再作業を抑えることで、結果的にトータルコストの低減に貢献する。

立地はインド北部ハリヤナ州グルグラム市。デリー首都圏からムンバイ、さらに南部のベンガルール、チェンナイへと至る幹線道路NH8(ナショナルハイウェイ8)に直結し、マネサールやビラスプールなど周辺の工業団地へのアクセスに優れる。内陸コンテナデポ(ICD)やインディラ・ガンディー国際空港にも近く、国内外を結ぶ物流拠点としての活用を想定する。

▲施設内観(出所:ヤマトホールディングス)

インドでは農地を倉庫用地に転用するケースが多く、土地取得や造成の制約から非整形地となり、倉庫の形状もL字などさまざまになることが少なくない。これに対し同施設は、大きな整形地に立地しており、四角形で大空間を確保できる構造。レイアウトの自由度が高く、複数のテナントが同居する場合でも運用しやすい点を強みとする。

拠点間連携については、各倉庫が単体で機能する運用を基本とする。製造業が各地に分散するインドの特性を踏まえ、YLIの倉庫に集約したうえで各地へ配送するモデルを想定。倉庫間を結ぶ輸送は、地場パートナーとの連携で対応する。YLIは29年度までに、25年3月期比で売上を2倍に拡大する目標を掲げる。

施設概要
施設名:NH8(シドラワリ)ロジスティクスセンター
所在地:インドハリヤナ州グルグラム市マネサール地区シドラワリ
延床面積:2万4900平方メートル
開設日:2026年1月8日
対応温度帯:定温(15-20度、280平方メートル)
立地特性:
・主要工業団地:ビラスプールまで8キロ、マネサールまで20キロ、タプカラまで20キロ、バワルまで25キロ、ニムラナまで60キロ
・内陸コンテナデポ(ICD):パトリICDまで25キロ、ガリハルサルICDまで30キロ
・空港:インディラ・ガンディー国際空港まで50キロ
・幹線道路:ナショナルハイウェイ8(NH8)に直結

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。