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25年度上半期の倒産件数は5172件、4年連続増加

2025年10月9日 (木)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は8日、2025年度上半期の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は5172件(前年度同期比15.1%増)で、負債総額は6927億7200万円(同49.63%減)に上ったとする調査結果を公表した。件数は4年連続で前年度同期を上回り、2013年の5505件に次ぐ高い水準となった。

上半期の倒産件数を産業別に見ると、10産業のうち5産業で前年度同期を上回った。最も多いのは「サービス業他」の1762件(同4.0%増)で全体の34.0%を占めた。次いで、建設業の1036件(7.4%増)で資材高が資金繰りに大きな影響を及ぼしている。運輸業は209件(6.2%減)で、4年ぶりに前年度同期を下回った。

地区別では、9地区のうち6地区で前年同期を上回った。増加したのは東北(299件)の7.1%増と中部(637件)の3.9%増、近畿(1334件)の3.6%増、九州(472件)の1.7%増で、いずれも4年連続の増加だった。最も件数の多い関東(1840件)は2.0%減で4年ぶりの減少となった。

負債総額は3年連続で前年度同期を下回り、4年ぶりに1兆円を割り込んだ。今年度最大の倒産は脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営していたMPH(東京都大田区)の260億円で、負債額では10億円以上が103件(13.4%減)、5億円以上10億円未満が122件(12.8%減)といずれも減少した。

また、9月単月の倒産件数は873件(前年同月比8.1%増)、負債総額は1124億7000万円(同15.2%減)だった。

件数は、4か月連続で前年同月を上回り、7月の961件に次いでことし2番目の高水準になった。9月としては22年から4年連続で前年同月を上回り、2年連続の800件台となった。

負債総額は、2か月ぶりに前年同月を下回り、9月としては2年連続で前年を下回った。負債額別では、負債1億円以上5億円未満が176件(17.3%増)、同5億円以上10億円未満が21件(23.5%増)と増加したが、10億円以上が18件(前年同月24件)と減少した。

産業別では、情報通信業を除く9産業で前年同月を上回り、最多は「サービス業他」の290件(前年同月比9.8%増)で、2か月ぶりに前年同月を上回った。運輸業は32件(同10.3%増)で2か月連続の増加だった。

これから年末に向け、企業の資金需要がさらに高まる時期を迎えており、同社は「物価高や人手不足、金利上昇に加え、過剰債務の解消が見込めない企業の資金調達が今後のポイントになる」と指摘。「倒産件数は緩やかに増加するとみられ、同時に廃業を決断する企業も増える可能性が高まっている」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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