認証・表彰日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は17日、ベルサール虎ノ門(東京都港区)で開催した「ロジスティクス全国大会2025」で、第42回ロジスティクス大賞の表彰式を実施した。
ロジスティクス大賞は運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)とtraevo(トラエボ、同)が「共同輸送データベースの普及によるフィジカルインターネットの実現に向けて」で受賞した。
受賞スピーチでTDBC代表理事の小島薫氏は「感謝いっぱいの気持ちでこの場に立たせていただいている。本当にありがとうございます」と喜びを表現した。同氏は「実は協創のプラットフォームを提供している団体になる。活動の中心は、そこに参加されている皆さんだ」と強調した。

▲受賞者は左からクボタの武山Alex義知氏、traevoの鈴木久夫氏、TDBLの小島薫氏、JILS会長の大橋徹二氏、ミスミの山本智博氏、花王の徳山尚昭氏
小島氏は今回の受賞について「動態管理プラットフォーム活用のワーキンググループ、さらに分科会として共同輸送データベースの分科会が存在する。今回の受賞は、AGCの田中さんをリーダーとする、本当にメンバーの皆さんの活動の成果だと思っている」と述べ、関係者への感謝を表明した。
さらに「この活動では、北海道物流研究会や北海道経済産業局など関係者の皆さんとの連携、そして共同輸送の実証では本当に多くの事業者さんや荷主さんに参画いただいた。その結果が今日だと思っている」と協力者への謝意を示した。
共同輸送データベース「traevo」は、物流情報の可視化と共有を通じて、業種や業態を超えた水平連携を実現する。複数企業による輸送スペースの共同利用や荷主の確保、発着地や荷種などの条件に応じたマッチング機能を備え、物流における非競争領域での協調を具現化した。フィジカルインターネットの社会実装に向けた基盤整備として、将来的には国際物流の効率化やカーボンニュートラルの実現など、幅広い社会課題の解決に寄与する可能性を秘めている点が高く評価された。
小島氏は「実は今回の発表を8月にいただいたのだが、8月1日から実証してきた内容を、実際のサービスとして先週提供開始した」と報告し、「ぜひ今日、皆さんにもここに加わっていただいて、一緒に進めていければと思っている」と呼びかけた。
ロジスティクス準大賞はミスミグループ本社が「機械部品業界のサプライチェーン在庫可視化によるロジスティクス最適化」で受賞した。同社が構築したサプライチェーン可視化プラットフォームは、受発注・在庫・輸送状況をリアルタイムで統合管理し、納期順守率の向上とリードタイム短縮を実現した。600社超のサプライヤー在庫をDX(デジタルトランスフォーメーション)で統合・可視化し、商品供給力を向上させた点が評価された。
技術革新特別賞は、花王が「デジタルデータ・先端技術を活用した完全自動化倉庫実現によるドライバー・作業員不足への対応」で受賞した。ロボティクス、IoT(モノのインターネット)、WMS(倉庫管理システム)などの先端技術により、生活消費財の物流で高度な自動化を実現。人手不足への対応に加え、作業の標準化・効率化により品質と安全性を向上させ、生産・物流・販売をシームレスにつなぐ次世代ロジスティクスモデルを構築した点が評価された。
社会性特別賞はクボタが「複数民間企業連携による東京港オフピーク輸送トライアルプロジェクト」で受賞した。東京港の混雑を回避するため、夜間輸送や午前中搬出入にシフトし、待機時間の短縮、輸送効率の向上、温室効果ガス排出量の削減を実証した。民間企業同士の連携により輸送時間帯を平準化し、ドライバー負荷を軽減した先駆的な取り組みとして評価された。
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