調査・データインドの市場調査会社、SNS INSIDERは27日、世界のパワーエレクトロニクス市場は、2023年に362億8000万ドルの規模と推計され、32年には601億ドルに達するとの予測を公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は5.78%を見込んでいる。再生可能エネルギーや電気自動車(EV)、省エネルギー技術への投資拡大が市場をけん引するとしている。
コンバーターやインバーター、整流器などのパワーエレクトロニクス機器は、太陽光発電や風力発電を電力網に効率的に統合するうえで欠かせない。このため、各国政府がクリーンエネルギーの導入を進めるなか、高性能パワーエレクトロニクスの需要は急速に高まっている。
分野別に見ると、自動車分野は重要なけん引役となっており、EVやハイブリッド電気自動車(HEV)の普及拡大で、インバーターやDC-DCコンバーター、モーターコントローラーといったパワーエレクトロニクス部品の需要が急増している。自動車メーカーによるEV技術への積極的な投資が続くなか、今後も市場拡大に寄与し続けるとみられる。
産業機器やスマート工場の進展も、市場を後押ししている。パワーエレクトロニクスは、自動化システムやロボット、モータードライブなどの中核的な役割を果たし、エネルギー効率の向上と運用コストの削減を図る。製造業や航空宇宙、物流などの分野では、運用効率と持続可能性を高めるためにパワーエレクトロニクスへの依存度が高まっている。
さらにシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ半導体の進歩で、より高電圧・高温度・高スイッチング周波数で動作可能なデバイスの開発が進み、市場の成長が加速すると予想される。
地域別にみると、北米はEVの早期普及と先進的な産業インフラ、再生可能エネルギー事業への政府支援策によって世界をリードしている。欧州では、厳格な環境規制と電動モビリティーの拡大が市場成長を促している。アジア太平洋地域は、急速な産業化、再生可能エネルギー設備の拡大、自動車生産の増加を背景に、今後高い成長が見込まれており。特に中国、日本、インドが市場拡大をけん引している。
同社は「エネルギー需要の変化や技術革新、持続可能性の追求といった世界的な流れに乗って、市場は今後も長期的な成長が期待される」としている。
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