拠点・施設日本GLP(東京都中央区)は13日、兵庫県尼崎市で開発を進めていた大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK尼崎」の竣工記者会見を開催。あわせて、尼崎市との包括連携協定の締結式を開催した。

▲GLP ALFALINK尼崎(出所:日本GLP)
記者会見では、日本GLPの帖佐義之社長と執行役員の山後正憲氏が出席し、関西における開発戦略や施設の特長について説明。また、入居企業である佐川急便の取締役、枝川和弘氏も登壇し、当施設を関西以西での中核的物流拠点と位置付ける背景や期待を語った。
同施設は、尼崎市道意町に位置する2棟構成の物流施設で、敷地面積は16万3000平方メートル、延床面積は36万8000平方メートルに及ぶ。6階建てダブルランプ構造の「South棟」と、4階建てボックス構造の「North棟」からなり、いずれも免震構造を採用、2棟ともに成約率100%での稼動となる。
ALFALINKは入居企業への事業成長支援をコンセプトに、施設内労働環境の改善や地域との交流などに取り組むとともに、入居企業間の連携などで新たなビジネス創出を促すなどオープンな施設作りに取り組んできた。すでに稼働している相模原施設では年間300件以上の地域イベントを行うまでになったといい、尼崎においても人が集まる施設作りを目指す。
同社は2006年に「GLP尼崎」で同市に初進出して以来、地域と関係を深めてきた。今回の新施設開業に合わせ、尼崎市と包括連携協定を締結し、地域課題の解決や都市機能の整備、防災・子育て支援、学校教育などで行政と共創する姿勢を明確にする。
施設内に市運営の地域交流拠点「ALCO GARDEN」が開設されたのは、行政主導としては全国初の試みとなる。子ども向けの体験活動や地域イベント、防災訓練など多様なコミュニティー活動の場として機能する予定である。

▲「ALCO GARDEN」開所式の様子(出所:日本GLP)
日本GLPが展開するALFALINKシリーズの最新の竣工事例であり、関西圏ではことし7月に完成した「GLP ALFALINK茨木」に続く展開となる。GLPは日本全国で180棟、延べ1100万平方メートルの物流施設を開発・運営。そのうち関西圏では49棟を開発・運営して、関西エリアでトップシェアとなる。23年以降の2年半で12棟を完成させ、現在も8棟の建設を進行中と、重点戦略エリアとして拠点整備を加速している。エリアの物流要衝・尼崎においても30%のトップシェアを占める形だ。
開所式においては、施設内に中継センター機能を有するターミナル型の大型物流拠点を開設する佐川急便、枝川氏も会見に参加。仕分け・配送機能を内包したターミナル機能を拡充することで、車両台数の削減や輸配送効率化、CO2排出量の抑制といった環境負荷低減も期待される。「関西の中継センターとして既存の周辺拠点を集約し、より効率化が実現できる」(枝川氏)と語る。
帖佐氏は会見で、「地域、入居者、行政が一体となって運営する」意義を強調。物流施設の枠を超え、サステナビリティや地域共生、BCP対応を重視した「まちづくり型物流ハブ」として、ALFALINKシリーズの展開を拡大していく姿勢だ。
また、尼崎市の松本眞市長が出席した包括連携協定の締結式では、市運営の施設ALCO GARDEN施設は市の重点施策の一環であり、物流拠点との地域連携の象徴ともなると紹介。子育て、地域活性化、学校教育、健康増進、障害者支援、防災、防犯などの領域で、物流施設の機能を「街の大切な財産として、いっしょに地域作りに生かしていく」(鈴木氏)と語った。(大津鉄也)

▲尼崎市との包括連携協定の締結式の様子。(左から)尼崎市長の松本眞氏、日本GLP社長の帖佐義之氏(出所:日本GLP)
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。
















