ロジスティクスSBSグループは3日、食品の輸出・輸入・国内物流に特化した「国際 食品物流EXPO」(Food LogiX)に出展した。同展示会は幕張メッセ(千葉氏美浜区)で5日まで開催される。

▲SBSグループのブース
会場でSBSグループは、SBSホールディングスのもと、SBSグローバルネットワーク、SBSフレックス、SBSゼンツウ、SBSリコーロジスティクス、SBSロジコムなど複数の事業会社共同で大型ブースを構え、食品物流をワンストップで支える体制を紹介した。冷凍・チルドを含む低温輸送、倉庫・3PL、店舗配送、EC物流、輸出食品の取扱支援など、グループの各機能を総合的に訴求する。
食品輸出の現状について、SBSグローバルネットワーク営業統括本部企画営業部の古川幸男部長は「日本の食品は安全性と品質の高さが評価されており、ブランド価値が高まっている。円安も追い風となり、海外市場での競争力は確実に上がっている」と語る。

▲SBSグローバルネットワーク営業統括本部企画営業部部長の古川幸男氏
中でも、抹茶を含む粉末茶の需要は顕著で、「ここ数年で2-3倍に伸びている。フランスをはじめ海外での関心は強い」と述べ、輸出現場で感じる手応えを示す。
こうした需要の大きさはSNS上の動きにも表れている。「Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)で茶の生産者やメーカーが製品をアピール。それを見た海外のユーザーが反応し、個別にやり取りが始まり、そのまま輸出につながるケースが増えている」と古川氏は話す。海外からの問い合わせを受け、商品はメルカリで仕入れ。それを国際宅配便で送り利益を得る個人ビジネスも発生しているという。件数は多いものの扱われる量は小口にとどまる。
しかし、小口取引主体の国際宅配便には課題もある。「個人相手に売った方が利ざやは取りやすいが、点数は増やせない。また、物流面では効率が悪く、商品は割高になる」。本来は一定量をまとめて輸出し、海外の拠点で仕分け・販売するほうが生産者に利益が出やすいが、「個々の生産者や小規模メーカーでは量がまとまらず、需要を束ねきれていないのが現状だ」と指摘する。
こうした状況を踏まえ、SBSグローバルネットワークでは輸送にとどまらず、産地と海外販路を結ぶ“コーディネート”の領域にも踏み込んでいる。古川氏は、旭川の家具職人を束ねて台湾展示会に出展させた事例などを挙げ、「生産者がよいものを作っても、海外販路の開拓までは手が回らないのが実状。商品点数をまとめるとともに、作り手と買い手をマッチングする役割が必要だ」と語る。
現在の市場には、輸配送に関する小さなニーズが各所に点在している。SBSグローバルネットワークはそれらを拾い上げて束ね、販路づくりと物流を一体で構築することで、新たな物流需要を生み出そうとしている。
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