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海上小口貨物の簡易通関、全国第1号は銘東が取得

2025年12月8日 (月)

▲検査場での第1号検査風景(出所:銘東)

認証・表彰大阪・南港を拠点に越境EC(電子商取引)の通関事業を手がける銘東(大阪市北区)は8日、大阪港に入港した海上小型貨物が、海上小口貨物の簡易通関制度に基づく全国第1号の輸入許可を取得したと発表した。これによって申告価格が1万円以下の貨物は、簡易通関・免税制度の対象となるため、関税と消費税が免除される。

財務省は10月に、急増する越境ECに対応するため、海上小口貨物を対象とした簡易な輸入通関制度を導入した。一方で、輸入貨物は、運送先の所在地・名称や、通販貨物に該当するかどうかを申告しなければならなくなり、通販貨物の場合は、ECプラットフォームの名称の申告も義務付けられた。

同社は越境EC通販貨物を扱う通関業者としては数少ない自社設置のX線検査装置を保有しており、貨物情報や注文情報と照合しながらリスクの高い貨物を事前に抽出する体制を構築している。これにより、違法薬物や知的財産権侵害品、危険物などの不正貨物に対するリスク検知能力を高め、違法貨物の輸入抑止と適正な貿易の維持に取り組んでいる。

同社は海上小口貨物の簡易通関制度の開始が公表されて以降、2年にわたって制度対応に向けたシステムの設計、開発、検証を進めてきた。その結果、ECプラットフォームに事前情報を取り込み、申告データを自動生成する機能や、海上小口貨物向け申告データの一括作成・送信機能、倉庫の入庫・仕分け・出庫作業や通関手続きなどを一体管理するWMS(倉庫管理システム)との連携機能などを開発、迅速な手続きの完了につなげた。

今回の第1号案件では、中国・上海発の日中国際フェリー「鑑真号」が今月2日、大阪港に到着。TEMUやAmazonなどの越境EC商品を含む貨物について、同社が保税倉庫での保管から仕分け作業まで対応した。

同社では準備してきた機能などを使って、小包の大量・多品目データを短時間で処理し、同日中に輸入許可を取得した。

今後、同社はTEMUやAmazonなどの越境ECプラットフォームや事業者向けに海上小包を使った新たな輸送方法を提案するとともに、海上と航空の輸送手段を組み合わせたマルチモーダル輸送の導入を進め、コスト削減やCO2排出量の低減にも寄与していく。中小の通関事業者などへのシステムの提供、共同利用も検討する。

同社は「海上小口貨物の簡易通関制度は、日本の通関制度にとって大きな転換点であり、航空に偏っていた小口貨物を海上にシフトさせる重要なきっかけになる」としている。

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