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日中関係悪化で運輸関連の3割超が影響懸念

2025年12月24日 (水)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は、日中間の関係悪化によって、悪影響を懸念する企業は全体の15.6%だったとするレポートを公表した。しかし、インバウンド需要の落ち込みが経営に直結する宿泊業は6割以上が影響を懸念。道路旅客運送業や水運業などの運送関連の会社も3割以上が受注減を懸念している。

ことし11月、台湾有事を巡る国会質疑の内容に中国が過剰に反応したのをきっかけに、日中関係が悪化。中国政府が一方的に日本への渡航自粛を呼びかけるなどしており、日中間の航空便の欠航が相次ぎ、日本産水産物の輸入が止まるなど、日中ビジネスへの影響も懸念されている。

こうした状況を受け、TSRは今月1日から8日まで、インターネットを通じて受注や販売への影響を尋ねる企業アンケートを実施。5645社から回答を得た。

(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)

調査結果によると、日中間の緊張が受注や販売に影響を及ぼしているかを尋ねたところ、「現在、影響はなく、今後も影響はなさそう」との回答が82.4%と8割を超えた。一方、「減少、減少見通し」の悪影響があるとの回答は15.6%だった。

悪影響との回答は、大企業で19.9%と2割を占め、中小企業は15.2%で、4.7ポイントの開きがあった。事業規模が大きいほど中国との接点も多いとみられる。

業種別に構成比をみると、「すでに受注が減少、今後受注が減りそう」との回答は、宿泊業で61.9%を占め、最も割合が高かった。運送関連でも3割を超える業界があり、道路旅客運送業で37.5%を占めたほか、運輸に付帯するサービス業では36.3%、水運業では33.3%を占めた。

今後の対策を複数回答で尋ねたところ、「調達面の中国依存の低減」の32.4%が最も多く、次いで「中国への渡航自粛」の30.4%だった。「販売面の中国依存の低減」は12.7%だった。

同社は「日中間の経済的結びつきが年々強まっていたが、チャイナリスクが改めてクローズアップされている。日本企業には人件費やコストの削減、安定操業の面でのメリットが乏しくなり、高まるリスクの分散のため、中国への依存度を再検討する必要も生じている」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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