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社会実装の推進力に、PIアワードで先進事例を表彰

2026年2月26日 (木)

イベントフィジカルインターネットセンター(JPIC)は26日、「フィジカルインターネットシンポジウム2026」を開催した。フィジカルインターネット(PI)の社会実装に向けた最新動向と政策の方向性を共有するとともに、「フィジカルインターネットアワード2026」の授賞式が執り行われた。

シンポジウムでは、経済産業省商務・サービスグループ流通政策課長兼物流企画室長の平林孝之氏と、 国土交通省物流・自動車局物流政策課長、高田龍氏が登壇。平林氏からは、PI実現に向けて、スーパーマーケット、百貨店、建材・住宅設備、化学品、医薬品など業界ごとのワーキンググループにおいて業界特有課題の解決に関する検証が加速していること、物流統括管理者(CLO)体制の始動や、物流拠点や配送の自動化、デジタル化・AI(人工知能)導入支援などを紹介。高田氏からは、次期「総合物流施策大綱」の概要を紹介。30年までを集中改革期間として、「徹底的な物流DX」をはじめとした取り組むべき施策の方向性を解説した。物流効率化や標準化の推進、データ連携の高度化など、PIへの理解促進を制度面からの後押しを図る姿勢が示された。

基調講演では、流通経済大学教授工学博士の矢野裕児氏が「持続可能な物流の新たな羅針盤」をテーマに講演。“急激”な高齢化に直面する物流改革の方向性について解説。場当たり的な小口多頻度物流から、計画化・平準化された「先を読んだロジスティクス」への転換、業務プロセスをルーティン化し規格だけではなくサービスも標準化すること、さらにデータの見える化・共有化を基盤に連携を進展させるデータドリブンへの転換の必要性を提示。また、CLOに期待すべき姿として、法令対応のみならず物流全体の最適化、企業価値の向上や社会課題に貢献し、サプライチェーンにおけるトレードオフ調整力が重要と訴えた。

JPIC事務局長の奥住智洋氏からは、先ごろ世界に先駆けての“完成”が発表された「フィジカルインターネット成熟度モデル」(PIMM)の概要を説明。企業やプロジェクトが自らの取り組みレベル、PIプロセスの発展度を客観的に把握し、段階的に高度化していくための指標となる。PIMMは、取り組みプロセスや人・組織のあり方、状態を評価対象とする点が特長で、実装フェーズへの移行を後押しする枠組みとして、多くの事業者の参加を呼びかけていく。

後半には「フィジカルインターネットアワード2026」の授賞式が行われた。特定の地域や条件下で試験導入された取り組みを対象とする「パイロットプロジェクト部門」と、ローンチおよび実運用まで進んでいる事例を対象とする「社会実装部門」の2部門それぞれで、奨励賞、優秀賞、最優秀賞が発表され、PI実現取り組みのロールモデルが示された。

パイロットプロジェクト部門の奨励賞は、アイディオット(東京都渋谷区)、丸和運輸機関、野村総合研究所による「『フィジカルインターネット』および『スマートボックス+共通かご車』」の取り組みが受賞。優秀賞は、トラボックス(同)と鹿島建設の、「“水平連携”と“垂直統合”で実現、建築業界からはじまる輸配送の未来『プライベートトラボックス』」が受賞した。

パイロットプロジェクト部門の最優秀賞には、日本パレットレンタル(JPR、東京都千代田区)と長瀬産業による「化学品業界における共同輸送マッチングと他業界との連携」取り組みが選ばれた。

社会実装部門の奨励賞には、運輸デジタルビジネス協議会とtraevo(トラエボ、港区)による「共同輸送データベース『traevo noWa』による持続可能な物流」が受賞。優秀賞は、トレードワルツ(同)の「貿易情報連携プラットフォーム『TradeWaltz』」が選ばれた。

社会実装部門の最優秀賞には、霞ヶ関キャピタル、J・MADE(中央区)、大阪高速乳配(大阪府交野市)、X NETWORK(東京都千代田区)が連携したコールドチェーンモデル、「共創型コールドチェーンの構築」が選出された。霞ヶ関キャピタルは、冷凍自動倉庫、冷凍保管サービスによるコールドチェーン運営支援を基盤に、予測可能な入出庫運用やシームレスな配送手配によってフィジカルインターネットへの接続を目指す。

JPICの理事長、森隆行氏は「PIMMの完成」「アワードの創設」をPI実現取り組みの重要な節目と位置付け、「物流再定義の原動力として共創のきっかけとし、改革の一歩を踏み出してほしい」と呼びかけた。

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